税務調査

代表的な脱税の手口を税理士が解説|売上除外・経費水増しの実態と税務調査でバレる理由

代表的な脱税の手口を税理士が解説|売上除外・経費水増しの実態と税務調査でバレる理由
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脱税の手口と、税務調査でバレる理由を税理士が実例をもとに徹底解説します。

脱税はなぜなくならないのか

汗水垂らして稼いだお金を税金で取られたくない、というのは多くの方の本音ではないでしょうか。税金の使い道に疑問を感じる方も多く、だからこそ脱税をしようとする人が後を絶たないという現実があります。

今回取り上げるのは、すでに税務署が把握している脱税の手口です。これらは注意喚起として紹介するものであり、実行することは絶対にNGです。

⚠️ 注意

今回紹介する手口はすべて税務署がすでに把握しているものです。脱税は犯罪であり、後から税務調査で発覚した場合、追徴税に加えて重加算税・延滞税も課されます。絶対にやめてください。

📝 このセクションのまとめ

  • 税金を減らしたいという気持ちは理解できるが、脱税は犯罪
  • 紹介する手口はすでに税務署が把握済みのもの
  • 今回の結論:脱税はダメ

脱税の基本的な仕組み|利益を小さく見せる2つの方法

脱税の基本的な考え方はシンプルです。税金は「利益」に対して課税されるため、この利益を小さく見せることで税金を減らそうとします。

利益を減らす方法具体的な手口
①売上を少なくする売上の一部を帳簿に計上しない(売上除外)
②経費を大きくする実際にない経費を計上する(架空経費)

📌 ポイント

利益 = 売上 − 経費。この「利益」を小さく見せるために、売上を減らすか経費を水増しするかの2方向で脱税は行われます。

📝 このセクションのまとめ

  • 脱税は「利益を小さく見せる」ことが目的
  • 手口は大きく「売上除外」と「経費水増し」の2種類

売上除外①|単純な売上の抜き取り(飲食店・現金商売に多い)

最も古典的な手口が「売上の除外」です。実際に売上はあったにもかかわらず、帳簿に記載しない方法です。特に現金商売の飲食店で多く見られます。

例えばラーメン屋さんで、実際には1杯1,000円のラーメンが100杯(売上10万円)売れていたとします。それを帳簿上では少なく記載し、差額を手元に残すというやり方です。

手書きの売上伝票をその日のうちに捨て、帳簿には少ない金額だけを記載するというのが典型的なパターンです。

📌 実際の事例(料理人・法人税法違反)

料理の鉄人にも出演した著名な料理人が、お店の営業終了後に大きな中華鍋でその日の売上伝票を燃やして売上を隠していたとされています。2001年に法人税法違反で摘発され、脱税額は約4,700万円。懲役1年・執行猶予3年の有罪判決を受けました。その後、メディアへの出演が激減し、経営していた中華料理店も閉店に追い込まれました。

また、別の事例として、中国産のうなぎを国産と偽って販売していたうなぎ屋さんが、レジの現金を集計する際に一部を抜き取るなどして売上を小さく見せかけていたケースもありました。3年間で約1億8,900万円もの売上を隠し、元社長は主に高級クラブなどの飲食費に充てていたとされています。その店は経営破綻しています。

⚠️ 注意:レジの削除ログに注意

一度レジに打ち込んだ売上を削除するという手口もありますが、レジの種類によっては削除したログが記録として残ります。このログから税務調査でバレるケースがあります。

📝 このセクションのまとめ

  • 現金商売の飲食店で売上伝票を捨てて帳簿に記載しない手口が多い
  • 実際に4,700万円の脱税で有罪判決になった事例がある
  • レジの削除ログから発覚するケースもある

売上除外②|常連客・営業時間・1日単位・店舗丸ごとのごまかし

売上除外にはさまざまなバリエーションがあります。規模が小さいものから大胆なものまで、段階的に見ていきましょう。

手口の種類内容バレるポイント
常連客の売上だけ除外一見客は正直に計上し、常連客の売上だけ付箋などに記録して帳簿に載せない一見客が税務署員の可能性を考えての対策だが、帳簿の不自然さから発覚
営業時間のごまかし深夜12時以降など特定の時間帯の営業をなかったことにするクレジットカードの決済記録が残るため発覚。カード払い拒否の店が怪しまれる
1日丸ごとごまかし年末年始など特定の日の売上をなかったことにするお酒の仕入れ記録・従業員のタイムカードの記録と矛盾して発覚
店舗丸ごとなかったことに複数店舗のうち1店舗を申告から完全に除外する除外店舗の経費を他店舗に混入させたり、グループ店として宣伝していたりして発覚

特に「現金オンリー」の店舗については、キャッシュレス化が進む現代においては不自然に映ることがあります。カード払いを拒否する理由の一つに「カード決済の記録が残ると足がつく」という意図がある場合があるためです。もちろんきちんと経営している現金オンリーの店舗もありますが、疑いを持たれやすいという点は意識しておくべきでしょう。

複数店舗を経営している場合、除外した店舗の経費を他の申告済み店舗に紛れ込ませるケースもあります。また、お手洗いなどにグループ店舗の一覧を貼っているにもかかわらず、そのうちの1店舗を申告していないといったことから発覚するケースもあります。

⚠️ 注意

売上除外は「ちょっとだけ」から始まり、だんだん規模が大きくなっていく傾向があります。脱税は麻薬と同じで、一度やってしまうと歯止めが効かなくなります。絶対に手を出してはいけません。

📝 このセクションのまとめ

  • 常連客の売上除外・時間帯・1日・店舗丸ごとと、規模が大きくなるほどリスクも高まる
  • クレジットカード記録・タイムカード・仕入れ記録など複数の証拠からバレる
  • 現金オンリーの店舗は税務署から疑いの目を向けられやすい

売上と原価の両建て除外|ナイトビジネス・風俗業に多い手口

売上だけを帳簿から抜いてしまうと、仕入れや原価との割合(原価率)がずれてしまい、不自然な数字になります。これを防ぐために、売上と原価の両方を同時に帳簿から除外する「両建て除外」という手口があります。

この手口は、売上とその原価が紐付きやすい業種で行われます。具体的にはナイトクラブや風俗店などで見られます。こうした業種では、サービスを提供する女性側も確定申告をしていないケースが多く、両者の記録が表に出にくいため、バレにくいとされています。

📌 ナイトビジネス・風俗業の特殊事情

こうした業種は銀行から融資を受けられないというデメリットがあります。そのため「税金を払うくらいなら手元にキャッシュを残して万が一に備える」という考え方になりがちです。気持ちはわからなくもないですが、節税は合法ですが脱税は犯罪です。

両建て除外は、税務調査前に行われる「内観調査(外から店の様子を観察する調査)」の際や、クレジットカード売上の割合の不自然さから発覚するケースが多くあります。

📝 このセクションのまとめ

  • 売上だけ除外すると原価率がずれるため、売上と原価を両方除外する手口がある
  • ナイトクラブや風俗店など、記録が表に出にくい業種で多い
  • 内観調査やカード売上の割合からバレる

経費水増し①|架空外注費・ペーパーカンパニーへの支払い

次に、経費を水増しして利益を減らす手口を見ていきます。その代表格が「架空外注費」です。

実際には何のサービスも受けていないにもかかわらず、支払ったように見せかける手口です。よく使われるのがペーパーカンパニー(実態のない会社)への支払いです。また、脱税をしている経営者自身が管理する休眠会社の口座にお金を振り込み、それを経費として計上した後、後から個人的に引き出すという方法もあります。

  • 製造業・建設業に多く見られる手口
  • ペーパーカンパニーや休眠会社への架空支払いが典型的
  • 「なんとかコンサルティング費」など、名目が曖昧で金額が多額な支払いは特に調査対象になりやすい

📌 KSKシステムで簡単にバレる

税務署にはKSK(国税総合管理)システムが導入されています。このシステムを使うと、支払い先の会社が実際に存在するか、申告が行われているかを簡単に確認できます。ペーパーカンパニーや休眠会社への不審な支払いは、このシステムですぐに目を付けられます。

⚠️ 注意

「休眠会社への支払いなんてバレるわけない」と思いがちですが、KSKシステムにより支払い先の申告状況まで把握されています。怪しい外注費は確実に調査対象となります。

📝 このセクションのまとめ

  • 実態のない支払いを外注費として計上する架空外注費は製造業・建設業に多い
  • ペーパーカンパニーや休眠会社への支払いはKSKシステムで簡単に発覚する
  • 名目が曖昧で多額のコンサルティング費などは特に調査されやすい

経費水増し②|架空人件費とお弁当の数からバレた実例

もう一つの経費水増しの手口が「架空人件費」です。実際には存在しない従業員や、実態以上の給与を計上する方法です。

脱税に慣れた経営者になると、架空従業員のタイムカードや出勤簿まで偽造して対策を講じるケースもあります。しかし、それでも発覚してしまいます。

📌 実際の税務調査事例|お弁当の数からバレた架空人件費

実際に対応した税務調査の事例です。従業員が寮に泊まり込む形態の会社で、架空人件費が計上されていました。税務署がどこから気づいたかというと、寮へのお弁当の発注数と、帳簿上の従業員数が毎日ずれていたのです。「この人は誰ですか?この人のお弁当がありませんよね?」という追及から、架空の従業員が発覚しました。

このように、税務署は直接的な帳簿だけでなく、日常業務に付随するあらゆる記録から矛盾を見つけ出します。タイムカードや出勤簿を偽造しても、お弁当の数という思わぬところから発覚した事例は、税務調査の調査力の高さを示しています。

⚠️ 注意:不正発見割合が高い「重点業種」がある

国税局・税務署は、不正発見割合が多い業種ランキングを公表しており、上位にランクインする業種を「重点業種」として集中的に調査しています。自分の業種が重点業種に該当する場合、通常より税務調査が入りやすい状況にあります。

📝 このセクションのまとめ

  • 架空人件費はタイムカード・出勤簿の偽造とセットで行われることが多い
  • お弁当の発注数という思わぬ記録から架空従業員が発覚した実例がある
  • 税務署は帳簿以外のあらゆる記録から矛盾を見つける調査能力を持つ
  • 不正発見割合が高い業種は「重点業種」として集中的に調査される

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
本サイトは 税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜を応援しています!

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