税務調査

税務署の回答は正しいとは限らない!経費否認リスクと正しい事前照会の方法を税理士が解説

税務署の回答は正しいとは限らない!経費否認リスクと正しい事前照会の方法を税理士が解説
e_zeirishi

税務署に聞いてOKと言われたのに、後日の税務調査で経費否認される可能性があることをご存知ですか?

税務署の回答は100%正しいとは限らない――これが今日の結論

電話などで問い合わせた税務署の回答、これは100%正しいとは限りません。これが今回の結論です。税理士にとっては業界の常識ですが、一般の方はほとんどご存知でないと思います。

⚠️ 注意

税務署や国税局電話相談センターに問い合わせて「OK」と言われても、後日の税務調査で経費否認されるケースがあります。これは税理士業界では常識ですが、一般の方にはほとんど知られていません。

先日、接待交際費など飲食代に関する経費の解説動画に、次のようなコメントをいただきました。

「個人事業主が一人でカフェで仕事や仕事関係の勉強をする場合、経費になるといろいろなサイトに載っており、税理士の方から確認したこともありますが、見解が違うのでしょうか。またカフェでいいのだから、夜のバーやパブのようなところでお酒を飲みながらでも、仕事の勉強をするためなら良い気がするのですが、これはグレーなのかブラックなのかホワイトなのかどうでしょう」

この件について、見解としては完全に黒よりのグレーです。経費にならないという回答をしたところ、さらに追加のコメントをいただきました。

「国税局電話相談センターに電話して国税局の職員に聞いたところOKと言われました。一人でカフェで仕事関連の勉強、飲食代を交際費にして良いかという聞き方で、国税局の方がOKというなら説明が誤っている、NGにならないものをNGと伝えていることになります。もし疑うならば国税局電話相談センターに電話して同じように聞いてみてください」

この回答に対しても、やはり「その国税局電話相談センターの回答は正しいとは限りません」というのが見解です。

  • 金額が小さいということでたまたま無理やりOKと言われた可能性
  • 質問者が拡大解釈をされた可能性
  • そもそも全ての事実が伝わっていない可能性

📝 このセクションのまとめ

  • 税務署・国税局への電話相談の回答は100%正しいとは限らない
  • 「OKと言われた」は証拠にならず、後日否認されることがある
  • これは税理士業界では常識だが、一般には知られていない

税務判断に迷ったときの相談手段は3つある

顧問税理士がいない方が、税務判断に迷ったとき(「この領収書は経費に落ちるのか?」と考えてもわからないとき)の解決手段の選択肢は、大きく3つあります。

手段内容信頼性
①国税局電話相談センターへの問い合わせ電話で気軽に相談できる一般向けの窓口低い(気休め程度)
②税務署に事前予約して個別照会事実関係を全て開示して対面で相談やや高いが記録が残らないことも
③事前照会に対する文書回答手続き書面で正式に照会し、書面で回答を受ける最も高いが手間・時間がかかる

①の国税局電話相談センターへの問い合わせは、完全に一般の方向けの窓口です。申告書の記載方法やごく一般的な質問・相談に関するものだと捉えていただければよく、単なる気休めに過ぎません

📝 このセクションのまとめ

  • 相談手段は「電話相談」「個別照会」「文書回答手続き」の3種類
  • 電話相談は一般向けの窓口で、信頼性は低い
  • より確実な回答を得るには②か③を選ぶ必要がある

②税務署への個別照会――記録が残らないという落とし穴

税務署に事前予約をして個別照会する方法は、口頭での相談になります。ただし、事実関係を全て開示する必要があります。事実を全てさらけ出すことに抵抗がある方も多いかと思います。

⚠️ 注意

税務署に事前照会した履歴は残りますが、相談や回答の内容の記録が残らないことが多いのです。「確証を得られた」と思っていても、後日税務調査で指摘されたり、税務当局側がその時の相談・指導の内容を認めないというケースもあります。

国税局電話相談センターに比べると、事実関係を全て開示することになりますので、より正確な回答が得られるかもしれません。しかし、この回答を全面的に信頼して申告作業を行うことはできないということです。やはりこれも気休めに過ぎないと言わざるを得ません。

📝 このセクションのまとめ

  • 個別照会は事実関係を全て開示する必要がある
  • 相談・回答の内容の記録が残らないことが多い
  • 後日の税務調査で税務当局が回答内容を認めないケースもある

③文書回答手続き――最も確実だが手間と時間が膨大

「経費に落とせるかどうかをはっきりさせた上で申告したい」という方には、事前照会に対する文書回答手続きが最も確実な方法です。この文書回答事例は、国税庁のホームページから誰でも閲覧することが可能です。ぜひ一度覗いてみてください。

しかし、この制度にはさまざまなデメリットがあります。周りの税理士でもこれを使ったという方はほとんどいませんし、実際に使ったことはありません。

詳細を見ていきましょう。

📌 文書回答手続きの主な条件・制約

  • 事実関係を全て開示する必要がある(口頭相談と異なり、全てのあらゆる事実を書面で開示)
  • 申告期限前のものに限る(すでに提出した申告書に関するものは対象外)
  • 提出書類が非常に多く、手間と時間がかかる
  • 回答まで約3ヶ月かかる(不足資料の追加提出を求められるとさらに長くなる)
  • すでに取引された事実に基づいて判断するため、仮定に基づく質問はNG
  • 経費としての金額の妥当性や、不動産の評価額など評価・金額に関する質問もNG
  • 質問と回答の内容は公表される(氏名等は非公表)

提出が必要な書類としては、以下のようなものが挙げられています。

  1. 別紙1:照会の趣旨(法令解釈・適用上の疑義の要約、事前照会で求める見解の内容)
  2. 別紙1-2:事前照会に係る取引等の事実関係
  3. 別紙1-3:事実関係に対して事前照会者の求める見解となることの理由
  4. チェックシート

これらの書類を揃えて提出してから回答があるまで、だいたい3ヶ月程度かかると言われています。不足した資料の提出を求められることにより、さらに長くなることもあり得ます。

📝 このセクションのまとめ

  • 文書回答手続きは最も確実だが、手間・時間・書類が膨大
  • 申告期限前の取引に限り、仮定の話や評価額の質問は受け付けない
  • 回答まで約3ヶ月以上かかる
  • 回答内容は国税庁ホームページで公表される(氏名等は非公表)

どの相談方法を選んでも手間がかかる――結局どう考えればいいのか

どの相談方法を取ったとしても、デメリットや手間がかかって大変です。では実際にどのように考えたらいいのか、最後にまとめます。

📌 ポイント:まず信頼できる顧問税理士に相談する

最初の選択肢は、信頼している顧問税理士に相談することです。これからの顧問税理士を探そうという方は、このような場合にも親身に相談に乗ってもらえる税理士探しを心がけましょう。

では顧問税理士がいない方はどうすればいいのでしょうか。

文書による事前照会は、よほど金額が大きな取引でない限り使いにくいと思います。何百万円もするような経費を支払って、それが経費に落とせるかどうかによって今後の資金繰り計画が大きく変わってくる、このような場合以外は非常に使いにくいでしょう。

なので、大事なのは次の考え方です。

  • 経費に落ちるかどうか、ある程度まっとうな判断ができるようしっかり理論武装する
  • 経費の妥当性に自信があるなら、納税者有利に考えて強気の申告をするか覚悟する
  • 無理なことはしたくないなら、非常に保守的な申告をする

なんだかんだ言いましても、税務調査は全ての事業所に入るわけではありません。3年に1回入るという事業所もあれば、10年・20年来ないという事業所もあります。さらには、税務調査に入られたとしても、その項目についてチェックされるかどうかもわかりません。そういったところを総合的に判断していただければと思います。

📝 このセクションのまとめ

  • まず信頼できる顧問税理士への相談が最優先
  • 文書回答手続きは金額が非常に大きい取引でない限り現実的ではない
  • 経費の妥当性について理論武装した上で、強気か保守的かを自分で判断する
  • 税務調査は全ての事業所に入るわけではなく、頻度も事業所によって大きく異なる

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
本サイトは 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士を応援しています!

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