税務調査

白色申告の適当な申告は脱税扱い?税理士が解説する税務調査の実態

白色申告の適当な申告は脱税扱い?税理士が解説する税務調査の実態
e_zeirishi

白色申告だから税務調査は来ないと思っていませんか?売上が少なくても脱税認定されるケースがあります。実際の調査事例をもとに、そのリスクを詳しく解説します。

白色申告者への税務調査は本当に少ないのか

「自分はフリーランスで細々と仕事をしているから、税務署の目に留まることなんてないよな」と思っている方、絶対に税務調査が入らないという自信はありますか?

巷では「白色申告者には税務調査はほとんど入らない」と言われています。確かに、白色申告を選択している方は事業規模が小さいことが多く、売上高1,000万円以下の免税事業者も非常に多いです。通常、そういった事業者は税務調査先として選定されないことが多く、何十年も税務調査が入っていないという方も珍しくありません。

📌 ポイント

個人に対する税務調査の確率は統計的に約1%です。つまり100人いたら毎年1人にしか税務調査が来ない計算になります。税務署はある程度、税務調査に入って税金が取れるところ、間違いや不正の金額が大きいところをターゲットにする傾向があります。

そのため、たとえ小規模な事業者が明らかに間違っていたり脱税をしていたりしても、「ここに税務調査に入っても追加で税金を取ることができない」と判断した場合は、見過ごすということも実際にはあるようです。

⚠️ 注意

裏を返せば、たとえ小規模な事業者でも、明らかに脱税や誤りがあって多くの追徴が見込まれる場合は、税務調査の対象にされることは十分にあります。「小規模だから安心」という考えは危険です。

📝 このセクションのまとめ

  • 個人への税務調査確率は統計上約1%と低い
  • 税務署は追徴税額が大きいところを優先的に選定する
  • 小規模でも脱税・誤りが明らかで追徴が見込める場合は対象になる

白色申告者に適用される「推計課税」とは

白色申告者への税務調査で特に注意が必要なのが「推計課税」です。帳簿が全くない、証拠書類がほとんどないといった場合に、推計課税が行われることがあります。

📌 推計課税とは

税務署側が「この人の所得はいくらくらいだ」と独自に計算して課税する制度です。青色申告者には一般的に行われませんが、白色申告で証拠書類が不十分な場合に適用されることがあります。自分の実態とかけ離れた所得を認定されるリスクがあるため、非常に恐ろしい規定です。

⚠️ 注意

白色申告者であっても、平成26年以降は帳簿をつけることが義務化されています。帳簿をつけていない場合は義務違反となり、税務署から厳しい判断が下される可能性があります。

📝 このセクションのまとめ

  • 帳簿・証拠書類が不十分な白色申告者には推計課税が適用されることがある
  • 推計課税は青色申告者には原則適用されない
  • 平成26年以降、白色申告者にも帳簿作成が義務化されている

実際に脱税認定された事例の概要

ここからは、実際にあった事例(守秘義務の観点から一部変更あり)をご紹介します。これは、もともと顧問先だったわけではなく、「税務署から脱税と言われて困っている。今度税務署に行くので一緒に付き添ってほしい」という形で駆け込みで相談に来られた方の事例です。

項目内容
職業フリーランスのエンジニア
開業年数5年前に開業、ずっと白色申告
帳簿全くつけていなかった(義務違反)
申告書の作成方法手書き(雑な字)
年間売上高約1,180万円
申告上の利益約141万円(利益率約12%)
最終結果修正申告、数百万円の追徴課税

📝 このセクションのまとめ

  • 売上1,180万円規模でも脱税認定・数百万円の追徴課税が現実に起きている
  • 帳簿を全くつけていなかったことが厳しい判断につながった
  • 白色申告でも5年間継続して申告していれば「安全」ではない

収支内訳書のどこが問題だったのか

税務署が目をつけた収支内訳書(損益計算書)には、複数のツッコミどころがありました。具体的にどのような点が問題視されたのかを見ていきましょう。

  • 金額がすべてキリの良い数字ばかり:明らかに適当に記入していることが伺える
  • 利益率が同業他社と比べて著しく低い:売上約1,180万円に対して利益がわずか約141万円(利益率約12%)
  • 売上の相手先・所在地が未記入:2ページ目の売上金額の明細に取引先の氏名・住所が書かれていない
  • 地代家賃の内訳が未記入:支払先の氏名・住所が記載されていない
  • 手書きで字が雑:申告ソフトを使った申告と比べて印象が悪くなる

📌 フリーランスエンジニアの利益率について

フリーランスのエンジニアは一般的に利益率が高い傾向にあります。多い方では利益率50%以上という方もよく見られます。今回の事例では利益率が約12%と極端に低く、「経費をたくさんつけているのでは」という疑念を持たれる原因になりました。

⚠️ 注意

手書きの申告書が直接的に「目をつけられやすい」というわけではありませんが、確定申告書等作成コーナーなどのソフトを使って作成した申告書と比べると、税務署への印象が良くないことは確かです。可能であれば申告ソフトの活用を検討しましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 金額がキリの良い数字ばかりは「適当に記入した」証拠と見なされる
  • 同業他社と比べて利益率が極端に低いと経費の水増しを疑われる
  • 売上先・支払先の氏名・住所の未記入は申告の信頼性を大きく損なう
  • 複数の問題点が重なることで脱税認定につながる

脱税認定された場合のペナルティ:重加算税の税率

今回の事例では推計課税までには至らなかったものの、修正申告を行うことになり、数百万円規模の追徴課税が課されました。脱税と認定された場合には通常の追徴税額に加えて「重加算税」というペナルティが課されます。

申告の状態重加算税の税率
無申告(申告自体をしていない)の場合40%
一応申告はしている(適当な申告)の場合35%

📌 ポイント

無申告と「一応申告している」場合の重加算税の差はわずか5%です。これだけの差しかないため、適当な申告は無申告と同等の扱いを受けると考えておくべきです。「申告さえしておけば大丈夫」という考えは通用しません。

📝 このセクションのまとめ

  • 脱税認定されると追徴税額に加えて重加算税が課される
  • 重加算税は無申告で40%、申告あり(適当な申告含む)で35%
  • 両者の差はわずか5%であり、適当な申告は無申告とほぼ同等のリスクがある

今回の事例から学ぶ教訓

今回の事例を一言でまとめると、「適当な申告は無申告と同じくらい扱いが悪い」ということです。

「さすがにここまで適当ではない」という方がほとんどかとは思いますが、これに近いことをやっているという方は意外と多いのも事実です。特に税理士が関与していない場合は、少し心当たりがある方は今すぐ見直すことをおすすめします。

⚠️ やってはいけないこと(NGリスト)

  • 帳簿を全くつけない(平成26年以降は義務違反)
  • 収支内訳書の金額をキリの良い数字で適当に記入する
  • 同業他社と比べて極端に低い利益率で申告する
  • 売上先・支払先の氏名・住所を未記入のまま提出する
  • 「小規模だから税務調査は来ない」と過信して申告をおろそかにする

📌 正しい申告のために意識すること

  • 日々の帳簿をきちんとつける
  • 経費の領収書・証拠書類を保管する
  • 収支内訳書の各欄(取引先名・住所等)を正確に記入する
  • 確定申告書等作成コーナーなどの申告ソフトを活用する
  • 不安な場合は税理士に相談する

📝 このセクションのまとめ

  • 適当な申告は無申告と同等の厳しい扱いを受ける可能性がある
  • 税理士が関与していない場合は特に注意が必要
  • 帳簿の作成・証拠書類の保管・正確な申告書作成が自己防衛の基本

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士ナガイ の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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