青色申告に間に合わない人必見!白色申告に変更する方法と税理士が解説する3つの落とし穴

青色申告に間に合わない人必見!白色申告に変更する方法と税理士が解説する3つの落とし穴
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青色申告が間に合わない場合、白色申告への変更は可能。しかし知らないと損する3つの落とし穴があります。

青色申告が間に合わない場合、白色申告で提出できる

3月に入り、確定申告の締め切りが迫る中で「青色申告に間に合わない」と焦っている方も多いと思います。実は、青色申告の申請を出していても、白色申告で確定申告を提出することは可能です。

ただし、これはあくまでも「その場しのぎ」の対応策です。来年以降は青色申告に復帰することを強くおすすめします。白色申告には数多くの落とし穴があるからです。今回は白色申告に関する注意点・メリット・そして大きなデメリット3つを解説します。

📌 ポイント

青色申告の申請を出していても、白色申告のルールに従って確定申告を提出することはペナルティなしで可能です。来年は青色申告に復帰することを目指しましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 青色申告の申請があっても白色申告での提出は可能(ペナルティなし)
  • 白色申告はあくまで緊急対応策。来年は青色申告への復帰を目指す

「青色申告取りやめ届出書」は出さないほうがいい理由

白色申告に切り替える際、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を提出しなければならないと思っている方もいるかもしれません。しかし、実務的にはこの届出書は提出しないほうが無難です。

なぜなら、この届出書を提出してしまうと、1年間は青色申告の承認申請ができなくなるからです。つまり、来年すぐに青色申告へ復帰しようとしても、それができなくなってしまいます。

⚠️ 注意

「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を提出すると、1年間は青色申告の承認申請ができません。来年すぐに青色申告へ戻りたい場合は、この届出書を提出しないことをおすすめします。白色申告のルールに従って申告するだけでOKです。

📝 このセクションのまとめ

  • 「青色申告取りやめ届出書」を提出すると1年間は青色申告に戻れない
  • 届出書を出さずに白色申告のルールで申告すればペナルティはない
  • 来年の青色申告復帰を妨げないためにも、届出書の提出は避けるべき

白色申告と青色申告の違い:書類・帳簿の比較

白色申告と青色申告は「飴と鞭」の制度です。しっかり苦労して帳簿を作った人に対して、さまざまな節税の特典を認めるというのが青色申告の趣旨です。

まず提出書類の違いから見ていきましょう。

項目白色申告青色申告(簡易)青色申告(正式)
事前届出不要必要必要
帳簿の種類簡易帳簿簡易簿記(PL)複式簿記(PL+BS)
決算書収支内訳書(2枚)青色申告決算書青色申告決算書(フル)
青色申告特別控除なし10万円55万円〜65万円
会計ソフト不要(Excelレベル可)あると便利必須

白色申告の最大のメリットは「楽なこと」です。提出する決算書は収支内訳書(簡易版PL)と売上・仕入れの明細書の2枚だけです。

帳簿の記載方法も、国税庁の資料によればExcelレベルで十分です。日付・内容・金額を科目ごとに記入し、年間分を集計すればOKという非常にシンプルなものです。

📌 ポイント

白色申告の帳簿は以前は義務がありませんでしたが、数年前から簡易的な帳簿の作成・保存が義務化されました。ただし青色申告の帳簿と比べると、かなり簡略的なもので構いません。

📝 このセクションのまとめ

  • 白色申告の決算書は収支内訳書2枚のみ、帳簿はExcelレベルでOK
  • 青色申告(正式版)は複式簿記・PL+BS作成が必要で会計ソフトが必須
  • 白色申告のメリットは「楽なこと」だけ。それ以外のメリットはほぼない

白色申告でも使える節税策

「白色申告は節税策がない」と思われがちですが、一般的な節税策の多くは白色申告でも利用できます。

  • 定額減税:白色申告でも利用可能
  • 住宅ローン控除:白色申告でも利用可能
  • 家事按分:自宅兼事務所の経費按分が可能
  • 少額減価償却(10万円未満):一括で経費計上可能
  • 一括償却資産(20万円未満):3年間で1/3ずつ経費計上可能
  • 事業専従者控除(青色の事業専従者給与とは異なるが節税効果あり)
  • ふるさと納税:白色申告でも利用可能
  • 小規模企業共済:白色申告でも利用可能
  • iDeCo(個人型確定拠出年金):青色申告と同じ拠出枠で利用可能

これらの節税策で十分という方は、白色申告でも一定の節税効果は得られます。

📝 このセクションのまとめ

  • 定額減税・住宅ローン控除・ふるさと納税・iDeCoなど一般的な節税策は白色申告でも使える
  • 青色申告限定の特典(青色申告特別控除・純損失の繰越控除など)は使えない

落とし穴①:節税策が少ない(青色申告特別控除・純損失繰越控除が使えない)

白色申告の最大のデメリットの1つ目は、青色申告特別控除が受けられないことです。青色申告特別控除は地味に見えて、実は非常に大きな節税効果があります。

所得税率10万円控除の節税額65万円控除の節税額
5%(所得税)+10%(住民税)1万5,000円9万7,500円
10%(所得税)+10%(住民税)2万円13万円
33%(所得税)+10%(住民税)4万3,000円27万9,500円

青色申告をするだけで、最低でも1万5,000円、所得が多い方なら27万円以上の節税が可能です。白色申告ではこの控除が一切受けられません。

また、青色申告限定の節税策として以下のものも白色申告では使えません。

  • 少額減価償却の特例(30万円未満・年間300万円まで):青色申告者は30万円未満のものを年間300万円まで一括で経費計上できるが、白色申告では10万円未満(一括)・20万円未満(3年1/3)のみ
  • 貸倒引当金:売掛金・債権に対してリスクを見積もり経費計上できる特例。青色申告限定

さらに見逃せないのが、純損失の繰越控除が使えないという点です。個人事業を始めたばかりで売上が上がらず赤字になることはよくあります。

📌 純損失の繰越控除とは

例えば1年目に100万円の赤字が発生した場合、その赤字を翌年以降に繰り越して、翌年の黒字と相殺することができます。2年目に100万円の黒字が出ても、1年目の赤字100万円と相殺して所得をゼロにすることができます。個人事業の場合は最長3年間繰り越せます(法人は最長10年)。

この繰越控除は青色申告のみの特典です。白色申告では、事業で赤字が出てもその損失は翌年以降に活用できません。事業を拡大していきたい方、起業初期の方にとっては非常に大きなデメリットです。

📝 このセクションのまとめ

  • 青色申告特別控除(10万〜65万円)が受けられず、節税効果が大きく下がる
  • 30万円未満の少額減価償却特例・貸倒引当金も青色申告限定で白色では使えない
  • 純損失の繰越控除(最長3年)が使えず、赤字が出ても翌年以降に活用できない

落とし穴②:税務調査リスクが高い

白色申告の2つ目の落とし穴は、税務調査のリスクが青色申告と比べて格段に高いことです。国税庁が発行した令和3年の資料によると、実際に税務調査が入った場合の帳簿不備・申告誤り・脱税(仮装隠蔽)の割合は以下の通りです。

申告区分帳簿不備の割合申告誤りの割合仮装隠蔽(脱税)の割合
青色申告(正規の簿記)6.2%72.9%6.6%
青色申告(簡易版)8.8%
白色申告74.2%88.4%7.9%

白色申告者の帳簿不備率は74.2%、申告誤りはなんと88.4%と、ほぼ9割の方が何らかの誤りを抱えているという衝撃的なデータです。帳簿不備の74.2%の中には、そもそも帳簿が全く作成されていないケースも含まれているとのことです。

また、事業収入(売上)規模別のデータでも、白色申告者の93.3%が年間売上1,000万円以下の小規模事業者に集中していることがわかっています。小規模でかつ帳簿が雑につけられている方が多いというデータが残っていますので、どうしても税務調査のターゲットになりやすいということです。

⚠️ 注意:推計課税のリスク

白色申告者の93.3%が推計課税の対象になり得ます。推計課税とは、同業種・同規模の事業者のデータをもとに税務調査官が税額を算出し、「この通り申告・納税しなさい」と命じる権限です。特に帳簿を全部捨ててしまって何も残っていないという方は、この推計課税を受けるパターンが非常に多くなっています。

📝 このセクションのまとめ

  • 白色申告者の帳簿不備率74.2%・申告誤り88.4%と、税務調査リスクが非常に高い
  • 白色申告者の93.3%が年間売上1,000万円以下の小規模事業者に集中
  • 帳簿がない場合は推計課税(税務調査官が税額を算定)のリスクがある

落とし穴③:帳簿の不備・記載漏れで追徴ペナルティが割増になる

3つ目の落とし穴は、今回の確定申告から本格的に適用される新しいルールです。帳簿の作成・保存をしていない事業者に対して、加算税が重くなる制度が導入されました。

具体的には、以下の帳簿に記載漏れや不備があった場合、税務調査における過少申告加算税・無申告加算税が10%割増になります。

  • 青色申告者:所定の帳簿(仕訳帳・総勘定元帳など)
  • 白色申告者:売上帳・現金出納帳(これが白色申告者に該当する帳簿)

⚠️ 注意

このルールは青色申告・白色申告に関わらず同様に適用されます。しかし、白色申告者は「楽でいい」という気持ちから帳簿が雑になりがちで、記載漏れ・不備が発生しやすい状況にあります。その結果、追徴課税のペナルティが10%割増になるリスクが非常に高くなっています。

📝 このセクションのまとめ

  • 2025年確定申告から帳簿不備・記載漏れへのペナルティ強化が本格適用
  • 白色申告者の対象帳簿は「売上帳・現金出納帳」
  • 帳簿に記載漏れや不備があると、過少申告加算税・無申告加算税が10%割増になる

白色申告が許容できるのはどんな人か

ここまで白色申告のデメリットを3つ解説してきましたが、そもそも白色申告が選択肢として考えられるのはどのような方でしょうか。

  • 確定申告が初めてで、どうしても青色申告の対応が無理な方
  • 売上が年間1,000万円以下かつインボイス登録をしていない方
  • 事業拡大を考えておらず、現在のペースで続けていきたい方
  • 税理士に依頼する資金的な余裕もない方

逆に、しっかり節税したい・事業を拡大したいという方は、白色申告は選ぶべきではありません。白色申告は確かに決算書が2枚でよく、会計ソフトも不要で非常に楽です。しかしその楽さに引きずられてずるずると白色申告を続けてしまう方も多く、気づかないうちに大きな損をしているケースがあります。

📌 来年から青色申告に戻るために

青色申告の55万円控除・65万円控除は会計ソフトや確定申告アプリを使えば、思ったより難しくありません。スマホアプリを活用すれば、青色申告の10万円控除はかなり簡単に対応できます。今年は白色申告で乗り切ったとしても、来年は必ず青色申告への復帰を目指しましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 白色申告が許容できるのは「初めて・小規模・拡大予定なし・資金余裕なし」の方のみ
  • 節税・事業拡大を考えるなら白色申告は選ぶべきではない
  • 今年白色申告にした方も、来年は必ず青色申告への復帰を目指すこと

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
本サイトは 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士を応援しています!

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