年内締め切り!個人事業主・フリーランスが今すぐ確認すべき駆け込み節税12項目を税理士が解説
節税は年内が勝負。確定申告シーズンになってから慌てても間に合いません。
確定申告シーズンになって慌てても、節税はもう間に合いません。個人事業主・フリーランスの方が後悔しないよう、今の時期に確認・実行すべき駆け込み節税の12項目を一気にダイジェストで解説します。今年ギリギリ間に合うものから、次年度に向けて準備しておくものまで幅広く紹介しますので、自分に該当しそうな項目をしっかり確認してください。
節税を始める前にやるべき事前準備
節税を実行する前に、まず以下の2つの事前準備を必ず終わらせてください。数字が見えていないと、節税すべきかどうかも、いくらやればいいかも判断できません。
① 今期の経理を終わらせる
今日の時点でできるところまで、今期の経理を完成させましょう。以下の書類が手元に揃っているか、今一度チェックしてください。
- レシート・領収書
- 携帯電話の明細書
- Amazonの購入履歴
- クレジットカードの明細書
これらを1か所に集めたうえで、会計ソフトへの入力作業を進めてください。会計ソフトに入力するのは、現金の動き・事業用の預金通帳・事業用に使ったクレジットカードの支出です。春や夏の状態からストップしている方は、まず経理作業に取りかかることが最優先です。
② 今年の所得金額を推測する
今年の所得金額がおおよそいくらになりそうか、また昨年と比較して増えるのか減るのかを推測してください。所得金額とは、1年間の売上から支払った経費を差し引いた残り、つまり「利益・儲け」のことです。
📌 ポイント
所得金額の推測には、事前経理の完了がセットで必要です。経理が終わっていないと数字が出てこないため、節税すべきかどうかの判断ができません。この2つの準備を必ず先に済ませてから、次の12項目の確認に進みましょう。
📝 このセクションのまとめ
- まず今期の経理を完成させ、レシート・明細書を揃える
- 今年の所得金額(売上-経費)を推測する
- この2つが完了して初めて節税の判断ができる
駆け込み節税①②:小規模企業共済・倒産防止共済への加入
まず最初の2項目は、共済制度への加入または増額です。どちらも年払いができるため、年末ギリギリでも大きな節税効果が狙えます。
| 項目 | 小規模企業共済 | 倒産防止共済 |
|---|---|---|
| 対象者 | 個人事業主(開業1年目から) | 開業2年目以降 |
| 掛金の範囲 | 月額 1,000円〜70,000円 | 月額 5,000円〜200,000円 |
| 年払い上限 | 最大84万円 | 最大240万円 |
| 税務上の扱い | 全額 所得控除 | 全額 必要経費 |
| 年払いの可否 | OK | OK |
小規模企業共済は、個人事業主のための退職金制度です。掛金が全額所得控除の対象となり、月額最大7万円・年払いで最大84万円の所得控除が得られます。加入窓口の締め切りは12月中旬ごろまでが目安とされていますので、検討している方はお早めに対応してください。
倒産防止共済は、開業2年目以降の方が対象です。開業1年目の方は加入できませんのでご注意ください。掛金は必要経費に計上できます。こちらも年払いが可能ですので、その年の上限額まで駆け込むことができます。
⚠️ 注意
倒産防止共済は開業1年目は加入不可です。また、どちらの共済も加入窓口の締め切りがありますので、年末ギリギリになる前に手続きを進めてください。
📝 このセクションのまとめ
- 小規模企業共済:年払いで最大84万円の所得控除。12月中旬ごろが加入締め切りの目安
- 倒産防止共済:開業2年目以降が対象。掛金を全額必要経費に計上可能
- どちらも年払いOKなので、今からでも1年分を前払いして節税効果を得られる
駆け込み節税③:専従者給与の増額を検討する
すでに専従者給与を払っている方は、その増額を検討することも有効な節税方法です。専従者給与とは、家族への給与を経費にする方法です。
例えば、今まで月5万円だった専従者給与を8万円に、月10万円だったものを15万円にするなど増額することで、その分が経費として計上され、税金を圧縮できます。
⚠️ 注意
- 専従者給与は事前に税務署への届け出が必要です。届け出が済んでいない方は、早くても来年度からの対応になります。
- 届け出に記載した金額が上限です。届け出の金額より多く支払うことはできません。
- 専従者給与には要件がありますので、自分のケースが該当するか必ず確認してください。
📝 このセクションのまとめ
- すでに届け出済みの方は、届け出金額の範囲内で増額を検討する
- 届け出がない方は今年は対象外。来年度に向けて届け出を準備する
駆け込み節税④⑤:短期前払費用の特例・iDeCoの活用
④ 短期前払費用の特例
保険料やシステムのリース料など、1年分を前払いした場合に、その年の経費として全額計上できる特例が「短期前払費用の特例」です。
この特例を使うには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 役務の提供を受けるための支出であること
- 支払い日から1年以内に提供を受ける役務であること
- 継続して同じ処理をすること(今年だけ使って来年は使わない、はNG)
⚠️ 注意
雑誌の年間購読料は短期前払費用の特例に該当しません。また、「前払いすれば何でも経費になる」という安易な解釈は危険です。要件に該当するかどうかを必ず確認してから計上してください。
⑤ iDeCo(個人型確定拠出年金)への加入・増額
iDeCoは個人年金の一種で、掛金が全額所得控除になるのが最大の特徴です。個人事業主の場合、月額最大68,000円まで掛けることができます。
📌 ポイント
iDeCoは掛金の変更が反映されるまで約2〜3か月のタイムラグがあります。年末ギリギリの滑り込みというよりは、次年度の節税対策として捉えて加入・増額の準備を進めるのが現実的です。
📝 このセクションのまとめ
- 短期前払費用の特例:保険料・リース料などを1年分前払いすればその年の経費に。ただし継続処理が条件
- iDeCo:掛金全額が所得控除。個人事業主は月最大68,000円。反映に2〜3か月かかるため次年度向けの準備として活用
駆け込み節税⑥:国民年金・国民健康保険の前払い活用
国民年金や国民健康保険を前払いすると、支払った年に全額所得控除できます。今年の所得が多く節税したい方は、前払いを検討する価値があります。
⚠️ 注意
前払いをすると、次年度は控除できる金額が減るか、またはゼロになります。年をまたいだバランスを考慮したうえで判断してください。
また、過去に未払いの国民年金や国民健康保険がある方は、今年支払うことで控除の対象になります。過去分の未払いがある方は、ぜひ確認してみてください。
さらに、家族分の国民年金を自分が負担している場合も控除の対象になります。例えば、大学生のお子さんの国民年金を自分が払っている場合、支払った人(自分)に控除が来ます。家族分の支払いも漏れなく計上するようにしましょう。
📝 このセクションのまとめ
- 国民年金・国民健康保険の前払い分は支払った年に全額控除可能
- 過去の未払い分を今年支払えば、その分が控除になる
- 家族(大学生の子など)の国民年金を自分が負担している場合も控除対象
- 前払いは次年度の控除額が減るため、年をまたいだバランスを考慮する
駆け込み節税⑦:30万円未満の備品購入(少額減価償却の特例)
本来、10万円以上の資産を購入した場合は減価償却といって、数年間に分けて経費計上しなければなりません。しかし、青色申告者には「少額減価償却の特例」があり、30万円未満の備品を一括で経費計上できます。
| 項目 | 通常ルール | 少額減価償却の特例 |
|---|---|---|
| 対象 | 全員 | 青色申告者のみ |
| 金額の上限 | — | 30万円未満 |
| 経費計上の方法 | 数年間に分けて計上 | 購入した年に一括計上 |
| 確定申告書への記載 | — | 固定資産台帳の適用欄に「措置法28の2」と記載が必要 |
⚠️ 注意
この特例は白色申告の方は対象外です。また、確定申告書の減価償却・固定資産台帳の適用欄に「措置法28の2」と記載する必要があります。記載漏れのないようにご注意ください。
📝 このセクションのまとめ
- 青色申告者限定で、30万円未満の備品は購入年に一括経費計上できる
- 確定申告書の固定資産台帳の適用欄に「措置法28の2」の記載が必須
- 白色申告者は対象外
駆け込み節税⑧⑨:経費にできる税金の確認・家事按分の活用
⑧ 経費にできる税金・できない税金を確認する
個人事業主・フリーランスの方が間違いやすいポイントです。経費にできる税金とできない税金をしっかり区別してください。
| 経費にできる税金 | 経費にできない税金 |
|---|---|
| 印紙税 | 住民税 |
| 個人事業税 | 所得税 |
| 消費税(税込経理の場合) | — |
| 固定資産税(事業用に使っている場合) | 自宅の固定資産税(プライベート用) |
| 自動車税(事業に使っている場合) | プライベート専用の自動車税 |
⚠️ 注意
住民税や所得税が経費として入力されている場合は、必ず修正してください。固定資産税・自動車税は、事業にも使っていることが条件です。プライベートのみで使っているものは経費になりません。
⑨ 家事按分で光熱費・通信費を経費計上する
自宅で仕事をしている方は、事業で使っている割合に応じて光熱費や通信費などを経費に計上できます。これを「家事按分」と言います。
知らなかった・まだやっていなかったという方は入力漏れのないようにしてください。また、家事按分をし忘れたままで確定申告を提出してしまっている方もいますので、今一度チェックするようにしましょう。
📝 このセクションのまとめ
- 印紙税・個人事業税・消費税・事業用の固定資産税や自動車税は経費になる
- 住民税・所得税は経費にならない。誤って入力している場合は修正が必要
- 家事按分を使って光熱費・通信費の事業分を経費計上する
駆け込み節税⑩〜⑫:青色申告65万円控除・ふるさと納税・経費の駆け込み購入
⑩ 青色申告特別控除を最大65万円に引き上げる
青色申告の特別控除額は10万円・55万円・65万円の3段階があります。せっかくある控除ですので、最大の65万円控除を目指しましょう。
📌 ポイント
電子申告(e-Tax)で確定申告を提出するだけで、55万円控除が65万円控除に10万円アップします。まだ電子申告に切り替えていない方は、ぜひ検討してください。
⑪ ふるさと納税(番外編)
ふるさと納税はどちらかというと節税というより住民税の前払いという性格のものです。何もしなければ返礼品はもらえませんが、ふるさと納税をすることで自分のふるさとや興味のある地域に寄付ができ、返礼品が手元に届くという仕組みです。すでに活用している方も多いと思いますが、まだの方はぜひ検討してみてください。
⑫ 経費の駆け込み購入(番外編)
必要なんだけど後回しにしていた、仕事で使う備品や消耗品がある方は、今年の利益が出そうであれば駆け込みで購入するのも有効な方法です。個人事業主・フリーランスの間で経費の駆け込み購入は比較的よく行われています。
⚠️ 注意:年末ギリギリの購入には落とし穴がある
経費計上の条件は「事業で使用を開始した時点」です。年末ギリギリにAmazonなどで購入しても、年明けに届いた場合はその年の経費になりません。年末は配送トラブルも起きやすいため、あまりギリギリを狙いすぎないようにしましょう。
📝 このセクションのまとめ
- 電子申告(e-Tax)に切り替えるだけで青色申告控除が55万円→65万円に10万円アップ
- ふるさと納税は住民税の前払い。返礼品が受け取れるお得な仕組み
- 必要な経費の駆け込み購入は有効だが、年明け到着分はその年の経費にならないので注意
節税の大きな罠:やってはいけない4つの勘違い
最後に、節税を実行するうえで陥りがちな罠を4つ紹介します。「節税」というワードに惑わされて間違えてしまう方が多いので、しっかり確認してください。
罠① 必要のない経費を買ってしまう(浪費)
「経費になるから」という理由で、本来必要のないものを購入してしまうのは完全な浪費です。経費にしても、お金はキャッシュアウト(実際に支出)します。無料ではありません。時間が経ってみると「全く使わなかった」「必要なかった」という経験は、個人事業主・フリーランスなら誰でも一度は経験するあるあるです。必要かどうか迷ったときに「経費になるから」という理由だけで購入するのはやめましょう。
罠② 節税でキャッシュを使いすぎて資金ショートする
節税のためにお金を使いすぎた結果、その後の税金の支払い(翌春の確定申告での納税)や、家賃・スタッフへの給与など通常の経費が払えなくなるというケースがあります。節税に投資しすぎて資金が回らなくなるのは本末転倒です。節税を実行するときは、その後の資金繰りをしっかり考えたうえで判断してください。
罠③ 年末ギリギリに購入して経費にならなかった
前述のとおり、経費計上の条件は「事業で使用を開始した時点」です。年末ギリギリに注文しても、届いたのが年明けであればその年の経費にはなりません。年末は配送トラブルも多いため、ギリギリを狙いすぎることは避けましょう。
罠④ そもそも節税が必要ない状況なのに節税しようとする
自分のビジネスが赤字なのに節税を頑張る、所得税がゼロなのに経費を無理に計上しようとするという方が一部いらっしゃいます。赤字の方、所得税がゼロの方は、そもそも税金を払っていません。必死になってお金を流出させてまで節税する必要はありません。「節税」というワードに惑わされず、自分の状況を正確に把握したうえで判断してください。
📌 ポイント
節税は「税金を減らすためにお金を使う行為」です。使ったお金が本当に必要なものかどうか、資金繰りに問題がないかどうか、そもそも節税が必要な状況かどうかを冷静に判断したうえで実行しましょう。
📝 このセクションのまとめ
- 経費にするためだけに不要なものを買うのは浪費。経費にしても実際にお金は出ていく
- 節税でキャッシュを使いすぎると、後の税金支払いや通常経費が払えなくなる
- 年末ギリギリの購入で年明け到着になると、その年の経費にならない
- 赤字・所得税ゼロの方は節税の必要なし。状況を正確に把握することが大前提
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士河南のYouTubeチャンネル! の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 税理士河南のYouTubeチャンネル!を応援しています!
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