住民税非課税世帯になる年収はいくら?条件・計算式・211万円の壁を徹底解説

住民税非課税世帯になる年収はいくら?条件・計算式・211万円の壁を徹底解説
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給付金の対象になる「住民税非課税世帯」。年収がいくらなら該当するのか、条件と計算式をわかりやすく解説します。

住民税非課税世帯とは?「世帯全員」が非課税であることが条件

給付金といえば必ず登場するのが「住民税非課税世帯」という言葉です。世間では住民税非課税世帯=生活困窮者というイメージがありますが、実態は少し異なります。

まず大前提として、住民税非課税世帯とは世帯主だけが住民税非課税であればよいわけではありません。一緒に生活している世帯全員の住民税が非課税になっていることが条件です。

⚠️ 注意

1人でも住民税が課税されている人がいれば、住民税非課税世帯にはなれません。わずかな年金収入しかなくても、稼ぎのある家族と同居している場合は、自分自身が住民税非課税であっても「住民税非課税世帯」とはみなされず、給付金の対象にはなれません。

そのため、親世帯を住民税非課税世帯にして社会保障制度のメリットを受けようと、同居しながら世帯分離を行い住民票を別にする方もいます。

📝 このセクションのまとめ

  • 住民税非課税世帯=世帯全員が住民税非課税であること
  • 1人でも課税されていると対象外になる
  • 世帯分離によって親世帯を非課税世帯にするケースもある

住民税が非課税になる4つの条件

住民税が非課税になる条件は以下の通りです。

  • 生活保護法による生活扶助を受けている人
  • 障害者・未成年者・ひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下の人
  • 前年の合計所得金額が自治体の条例で定める額以下の人

今回は、この3つ目の「自治体の条例で定める所得基準」について詳しく取り上げます。

📝 このセクションのまとめ

  • 住民税非課税の条件は大きく3種類ある
  • 一般的に問題になるのは「合計所得金額が条例基準以下」のケース
  • 障害者・未成年・ひとり親は所得135万円以下が別基準

所得基準は地域によって異なる「級地区分」とは

住民税が非課税になる所得基準は、お住まいの地域によって異なります。これを級地区分と呼びます。

ざっくり言うと、物価の高い地域から順に次のように区分されています。

級地区分対象地域の目安
1級地大都市圏(例:東京23区)
2級地中核都市
3級地その他の地域

この区分は、生活保護の扶助基準額を決定する際の物価・生活水準の区分制度と同様の考え方です。同じ級地区分でも、自治体によって所得基準がやや異なる場合がありますので、正確にはお住まいの自治体のホームページで確認してください。

📝 このセクションのまとめ

  • 所得基準は全国一律ではなく「級地区分」によって異なる
  • 1級地(大都市)が最も基準が高く、3級地が最も低い
  • 詳細は各自治体のホームページで確認が必要

東京23区(1級地)を例にした所得基準の計算式

以下では、1級地の東京23区を例に解説します。合計所得金額が次の計算式の金額以下であれば住民税が非課税になります。

📌 住民税非課税の所得基準(1級地:東京23区)

  • 同一生計配偶者または扶養親族がいる場合:
    35万円 × (本人 + 同一生計配偶者 + 扶養親族の人数) + 31万円
  • 同一生計配偶者も扶養親族もいない場合:
    45万円

例えば夫婦2人暮らしで夫の所得の方が多い場合、夫は1番目の計算式が適用されます。35万円 × 2人 + 31万円 = 101万円が所得のボーダーラインです。妻は2番目で45万円がボーダーラインです。2人の所得がそれぞれこの金額以下であれば、2人とも住民税は非課税となり、住民税非課税世帯になります。

扶養人数ごとのボーダーラインをまとめると以下の通りです。

扶養人数対象者の例所得金額の上限(1級地)
0人扶養されている人・単身者(例:妻)45万円
1人扶養している人(例:妻1人を扶養する夫)101万円
2人2人を扶養している人136万円
3人3人を扶養している人171万円

📝 このセクションのまとめ

  • 扶養なし・単身者は合計所得金額45万円以下が非課税の条件(1級地)
  • 扶養している人は「35万円×人数+31万円」で計算する
  • 扶養人数が多いほどボーダーラインは上がる

年金収入・給与収入に換算するといくら?「211万円の壁」の正体

住民税非課税世帯の7〜8割は65歳以上の年金受給者というのが実態です。そこで、所得金額のボーダーラインを年金収入と給与収入に換算してみましょう。

年金収入は雑所得になります。年金収入から公的年金等控除額を差し引くことで雑所得の金額が計算できます。

対象者所得金額の上限65歳未満の年金収入65歳以上の年金収入
扶養0人(妻など)45万円105万円155万円
扶養1人(夫など)101万円171万円211万円

📌 「211万円の壁」とは

65歳以上で住民税非課税世帯になれる年金収入の上限額が211万円です。夫婦2人の年金生活者は、夫の年金収入が211万円を超えると社会保険制度で不利になります。これが「211万円の壁」のからくりです。

次に給与収入に換算した場合です。給与収入から給与所得控除額を差し引くことで給与所得金額が計算できます。

対象者所得金額の上限給与収入の目安
扶養0人(妻など)45万円100万円
扶養1人(夫など)101万円156万2,000円

扶養されている人・単身者の住民税が非課税になるボーダーラインは給与収入100万円です。よく知られている扶養の基準「103万円」とは異なりますので注意が必要です。

また、扶養人数が2人・3人と増えるほど扶養している人のボーダーラインは上がりますが、扶養されている人は常に扶養人数0のボーダーライン(所得45万円・給与100万円)が適用されます。

📝 このセクションのまとめ

  • 65歳以上の夫(妻1人扶養)が住民税非課税世帯になれる年金収入の上限は211万円
  • これが「211万円の壁」の正体
  • 給与収入の場合、扶養されている人のボーダーラインは100万円(103万円ではない)

地域(級地)別の所得金額ボーダーライン比較

夫婦2人暮らしを例に、級地別のボーダーラインを比較すると以下のようになります。地域によって結構な差が出てきます。

級地区分妻(扶養0人)の所得上限夫(扶養1人)の所得上限
1級地(東京23区など)45万円101万円
2級地(中核都市など)41万円91万9,000円
3級地(その他の地域)38万円82万8,000円

📌 ポイント

同じ級地区分でも自治体によって若干異なる所得基準を設けている場合があります。正確な基準は必ずお住まいの自治体のホームページで確認してください。

📝 このセクションのまとめ

  • 1級地と3級地では所得上限に7万円前後の差がある
  • 地方在住者ほど非課税になるハードルが低い
  • 自治体ごとの詳細確認が不可欠

勘違いしやすい2つのポイント:年少扶養親族と合計所得金額

住民税非課税世帯の判定計算では、勘違いしやすいポイントが2つあります。

① 年少扶養親族(16歳未満)も人数にカウントする

所得税や住民税の所得控除を計算する際、16歳未満の年少扶養親族は扶養控除の対象外となります。しかし、住民税非課税世帯の判定計算では、16歳未満の子どもも扶養親族の人数に含めて計算します。

源泉徴収票や確定申告書に年少扶養親族を記載する欄があるのは、まさにこの住民税非課税判定のためです。

② 扶養親族自身の所得も45万円以下でなければならない

同一生計配偶者とは、生計を一にしている配偶者で合計所得金額が48万円以下の人が該当します(給与収入では103万円以下)。扶養親族も同様に合計所得金額48万円以下の人が該当します。

これらの同一生計配偶者や扶養親族は、住民税非課税世帯の判定計算において人数としてカウントされます。しかし、その人自身が住民税非課税でなければならない点に注意が必要です。

級地区分扶養親族自身の所得上限給与収入換算
1級地45万円以下100万円以下
2級地41万円以下96万5,000円以下
3級地38万円以下93万円以下

⚠️ 注意

扶養親族の要件(合計所得48万円以下)を満たしていても、住民税非課税の基準(1級地なら45万円以下)を超えていると、その扶養親族自身は住民税が課税されてしまいます。1人でも課税されると住民税非課税世帯にはなれません。扶養親族の要件ばかりに気を取られて、この点を見落とさないよう注意が必要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 16歳未満の年少扶養親族も、住民税非課税世帯の判定では人数にカウントされる
  • 扶養親族として人数カウントされていても、その人自身が住民税課税なら世帯全体が課税世帯になる
  • 扶養要件(所得48万円以下)と住民税非課税基準(1級地45万円以下)は別物なので注意

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士KOBAYASHIちゃんねる の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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