フリーランスに簿記は必要?税理士が解説する4つの理由と勉強法

フリーランスに簿記は必要?税理士が解説する4つの理由と勉強法
e_zeirishi

クラウド会計が普及した今も、フリーランスに簿記の知識は必要です。その理由と勉強法を解説します。

「クラウド会計がこんなに進んでいるのに、簿記の勉強って必要なの?」——個人事業主やフリーランスの方から、こういった質問をよくいただきます。本記事では、簿記の知識が必要な4つの理由と、どの程度の知識が必要か、そしておすすめの勉強方法について詳しく解説していきます。

簿記の知識が必要な理由①:お金の管理はビジネスの基本

本業でも副業でも関係なく、ビジネスをするとお金の流れが必ず発生します。お金の受け取りや支払いが発生しないビジネスというのは存在しませんので、そのお金の流れを管理・把握するために、経理の知識が必要となってきます。

この管理ができていないと、ビジネスをしているにもかかわらず、経営者としてお金の管理ができていないという状態になってしまいます。具体的に把握しておくべき項目は以下の通りです。

  • 売上がいくらか
  • 経費がいくらかかっているか
  • 利益はいくら出ているか
  • 資金の流れはどうなっているか

これらを管理するためには経理をしなければなりません。そして経理をするためには仕訳を入力していく必要があります。この仕訳入力の基本ルールは簿記のルールに沿って行うものです。つまり、簿記がわかっているとお金の流れを把握・管理できるということになります。

📝 このセクションのまとめ

  • ビジネスには必ずお金の流れが発生する
  • 売上・経費・利益・資金を管理するには経理が必要
  • 経理の仕訳入力は簿記のルールに基づいている

簿記の知識が必要な理由②:税金の仕組みが理解できなくなる

ビジネスをすると、税金の支払いは流れ上避けられません。また、確定申告をしないというわけにはいかず、確定申告は義務となっています。税務署に確定申告書を提出する必要があるのですが、この確定申告書を作成するためには、前段階として経理が必要です。

経理をするためには仕訳をすることになりますので、結局ここでも簿記が関わってきます。そして確定申告の計算をするためには税金の知識が必要となります。

📌 ポイント

確定申告書を作るには経理帳簿が必須です。経理をするにしても、税金の仕組みを理解するためにも、簿記の知識が基礎となります。どちらの観点からも、簿記は切っても切り離せない存在です。

📝 このセクションのまとめ

  • 確定申告は義務であり、税務署への提出が必要
  • 確定申告書の作成には経理帳簿が必須
  • 税金の仕組みを理解するためにも簿記の基礎知識が必要

簿記の知識が必要な理由③:青色申告特別控除を活用するために

節税のために青色申告特別控除を使いたいという方も多いと思いますが、この控除を受けるためには一定の条件があります。その条件の一つに、次のものがあります。

⚠️ 注意

青色申告特別控除を受けるための条件の一つ:「正規の簿記の原則で記帳すること」。この要件を満たさないと、青色申告特別控除は認められません。

つまり、簿記のルールに沿って記帳したものでないと、青色申告控除は認められないということです。

では、なぜ最近クラウド会計がこれほど広まっているのでしょうか?それは、クラウド会計を使って入力すると、自動的に正規の簿記の原則に沿った記帳方法になるからです。クラウド会計を使うことで青色申告特別控除のハードルがグッと下がるため、多くのフリーランス・個人事業主に普及しています。

📌 ポイント

クラウド会計を使うこと自体は非常におすすめです。ただし、簿記の基本的な仕組みを理解したうえでクラウド会計を使うのと、仕組みがよくわからないまま使うのとでは、理解度も活用度も全く異なります。クラウド会計を有効活用するためにも、簿記の基礎知識は身につけておきましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 青色申告特別控除には「正規の簿記の原則で記帳すること」という条件がある
  • クラウド会計を使うと自動的にこの条件を満たせる
  • ただし、簿記の仕組みを理解したうえで使うほうが有効活用できる

簿記の知識が必要な理由④:税理士や税務調査の際に役立つ

簿記の知識は、専門家とのやり取りや、万が一の税務調査の際にも非常に役立ちます。

税理士とのやり取りについて:ある程度簿記の知識があると、自分が疑問に思っている箇所や「ここがわからない」という点を明確化・言語化できます。これにより、やり取りがスムーズになります。もちろん税理士は顧問先に寄り添うので、わからないなりに質問されても対応しますが、基礎知識があると次のようなメリットがあります。

  • 返信が早くなる
  • やり取りの回数が少なくなる
  • 聞いたことに対してズレた答えが返ってくることが減る
  • 効率よく情報を得られる

税務調査について:税務調査に来る調査官は専門用語をバンバン使ってきます。何を聞かれているのか、今何を確認しようとしているのかがわからないという感想をよく聞きます。

⚠️ 注意

税理士は税務調査に立ち会う権限を持っていますが、税理士をつけていないフリーランス・自営業の方は、税務調査を一人で対応しなければなりません。その際に簿記・経理の知識があると、何を問われているかを理解でき、自分が不利になる場面を回避できる可能性があります。

📝 このセクションのまとめ

  • 簿記の知識があると税理士とのやり取りが効率化できる
  • 税務調査では専門用語が飛び交うため、基礎知識があると自分を守れる
  • 税理士なしで税務調査を受ける場合は特に重要

どの程度の知識が必要?簿記3級レベルで十分

「では一体どのくらいの知識があればいいの?」という疑問が出てくると思います。結論は以下の通りです。

📌 ポイント

簿記3級程度の知識があれば十分です。ただし、「簿記3級に合格しなければならない」というわけではありません。テキストで簿記の基礎がわかる程度に勉強するくらいで十分です。目標は「合格」ではなく、「経理の基本ルールを理解すること」です。

とはいえ、せっかく勉強するのであれば、簿記の知識は邪魔になるものではありませんので、簿記3級の取得を目標に勉強することは非常におすすめです。独学でも学べますので、挑戦してみる価値は十分にあります。

📝 このセクションのまとめ

  • 必要な知識レベルは簿記3級程度
  • 合格が目的ではなく、経理の基本を理解することが目的
  • せっかくなら3級取得を目標にするとモチベーションになる

簿記のおすすめ勉強方法3選

簿記を学ぶ方法は大きく3つあります。それぞれのメリット・デメリットを整理します。

勉強方法メリットデメリット費用
①独学(テキスト)自分のペースで学べるモチベーション維持が難しい低コスト(書籍代のみ)
②YouTube動画無料・自分のペースで学べるモチベーション維持が難しい無料
③専門学校スケジュール管理・短期集中費用が高い高コスト

①独学(テキスト):本屋さんの簿記コーナーには非常に多くの書籍が並んでいます。実際に手に取って中身を確認するか、Amazonなどで評価が高いものやコメントでおすすめされているものを探して勉強するのがよいでしょう。TACや大原などの専門学校が出版している教材を利用するのも一つの方法です。自分のペースで勉強でき、低コストで始められる点が大きなメリットです。

②YouTube動画で学ぶ:今の時代、YouTubeでは有料級の情報が無料で公開されています。動画で学ぶ場合も自分のペースで進められるうえ、書籍代すらかからないという最大のメリットがあります。お金をかけたくない方には特におすすめの方法です。簿記を専門に解説しているYouTubeチャンネルも複数存在しますので、ぜひ活用してみてください。

③専門学校へ通う:独学だとついサボってしまったり、三日坊主になりがちという方には専門学校が向いています。授業日程が決まっているため、スケジュール管理をしてもらえるというメリットがあります。短期集中で学びたい方や、自分では流されてしまうという方に特に向いています。ただし、費用が高くなる点はデメリットです。

📌 ポイント

お金をかけたくない方には独学またはYouTube動画がおすすめ。短期集中で確実に身につけたい方は専門学校という選択肢も有効です。自分の性格や学習スタイルに合った方法を選びましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 独学(テキスト):低コストで自分のペースで学べる
  • YouTube動画:無料で学べる最もコストがかからない方法
  • 専門学校:費用はかかるが短期集中・スケジュール管理ができる
  • 自分の性格・予算に合った方法を選ぶことが大切

まとめ:クラウド会計時代でも簿記の基礎知識は必須

クラウド会計が普及した今でも、ビジネスをするにあたって簿記の知識は必要です。その理由を改めて整理すると、以下の4点になります。

  1. お金の管理はビジネスの基本:売上・経費・利益・資金の流れを把握するために経理・簿記の知識が必要
  2. 税金の仕組みの理解:確定申告書の作成には経理帳簿が必須であり、仕訳=簿記の知識が土台になる
  3. 青色申告特別控除の活用:「正規の簿記の原則で記帳すること」が要件の一つ。クラウド会計はこれを自動的に満たすが、仕組みの理解があるとより有効活用できる
  4. 税理士・税務調査への対応:基礎知識があると専門家とのやり取りが効率化し、税務調査でも自分を守ることができる

必要な知識レベルは簿記3級程度で十分です。合格を目指すというよりも、経理の基本ルールを理解することを目標に、独学・YouTube・専門学校のいずれかの方法で学んでみてください。クラウド会計を使うにしても、仕組みを理解したうえで使うほうが有効活用できますので、簿記の基礎知識はぜひ身につけておきましょう。

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士河南のYouTubeチャンネル! の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
本サイトは 税理士河南のYouTubeチャンネル!を応援しています!

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