確定申告不要な収入9選を税理士が解説|非課税所得の見落とし注意

確定申告不要な収入9選を税理士が解説|非課税所得の見落とし注意
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確定申告で「余計な収入」を申告して税金を払い過ぎていませんか?実は非課税の収入が9種類あります。

なぜ「非課税の収入」を知ることが重要なのか

確定申告シーズンになると、特に初めて申告する方を中心に「収入に含めなくてもよいものを含めて申告してしまう」というミスが起こりがちです。その結果、本来払うべき税額以上の無駄な税金を納めてしまうことになります。

個人が得る収入には、所得税法第9条やその他の法律によって「非課税」と明確に規定されているものがあります。今回はその中から代表的な9つをご紹介します。誤った申告をしないよう、しっかり確認しておきましょう。

📌 ポイント

「納税は国民の義務」ですが、同時に「節税は国民の立派な権利」でもあります。非課税とされている収入を正しく把握し、無駄な税金を払わないようにしましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 非課税の収入を申告すると、払い過ぎの税金が発生する
  • 根拠法令は主に所得税法第9条
  • 代表的な非課税収入は9種類ある

非課税となる収入9選|一覧表で確認

まず全体像を表で確認しましょう。

番号収入の種類主な根拠・補足
遺族年金・障害年金国民年金・厚生年金保険の給付
交通事故等の示談金・損害賠償金・慰謝料心身に加えられた損害に限る
失業給付・出産手当金・育児休業給付金など社会保険制度・労災制度による給付
家具・衣類など生活用動産の譲渡(メルカリ等)生活上の不用品処分に限る
生活保護費
通勤手当(月15万円以内)・出張日当・転勤旅費・社宅家賃会社から支給される福利厚生
宝くじ当選金・スポーツ振興投票券(TOTO)の払戻金当選金付き証票法第13条
NISA等の非課税口座で得た配当金・売却益2024年以降は生涯非課税枠1,800万円に拡充
文化功労者年金・学術・芸術奨励金・ノーベル賞賞金品など

📝 このセクションのまとめ

  • 非課税収入は9種類。それぞれに条件・範囲がある
  • 「全額非課税」と「一定額まで非課税」があるので注意

①遺族年金・障害年金、②示談金・損害賠償金・慰謝料

遺族年金・障害年金は、家族が亡くなったとき・障害を負ったときに、国民年金や厚生年金保険の加入者が受け取れる給付です。これらに課税してしまうと、その後の生活が成り立たなくなるため、非課税とされています。

⚠️ 注意

高齢になってから受け取る老齢年金雑所得として所得税・住民税の課税対象になります。遺族年金・障害年金とは扱いが異なりますのでご注意ください。

交通事故等の示談金・損害賠償金・慰謝料については、「心身に加えられた損害につき支払いを受けるもの」という規定があります。

⚠️ 注意

心身への損害ではなく、営業用車両の修理費用を補填するために受け取った損害賠償金などは課税対象となります。「何でも慰謝料・賠償金なら非課税」ではありません。

📝 このセクションのまとめ

  • 遺族年金・障害年金は非課税。老齢年金は課税(雑所得)
  • 慰謝料・損害賠償金は「心身への損害」に限り非課税
  • 営業用資産の損害補填金は課税対象

③失業給付・出産手当金・育児休業給付金など社会保険給付

社会保険制度や労災制度を使えば、いざというときに様々な給付を受けることができます。これらも遺族年金と同じ考え方で、失業中に課税されると生活がままならないことから非課税とされています。

非課税となる主な給付は以下のとおりです。

  • 失業給付(雇用保険の基本手当)
  • 出産手当金
  • 傷病手当金
  • 育児休業給付金
  • 労災給付など

📌 ポイント:コロナ関連給付金について

以前配布された定額給付金(1人10万円)のような、事業に関連しない個人向け給付金も非課税です。今後同様の給付金が支給された場合も、事業関連でない限り非課税となる可能性が高いです。

📝 このセクションのまとめ

  • 失業給付・出産手当金・傷病手当金・育児休業給付金などは非課税
  • 事業に関連しない個人向け給付金(定額給付金等)も非課税

④メルカリ等での生活用品販売|非課税になる条件と注意点

「家具・衣類など生活に通常必要な動産の譲渡」は所得税法上、非課税とされています。つまり、メルカリなどを通じた生活用品の販売は原則として非課税です。

ただし、非課税になるかどうかは「何を売ったか」「なぜ売ったか」によって変わります。以下の表で整理します。

販売するもの・状況課税・非課税理由
家具・衣類など生活用の不用品非課税生活に通常必要な動産の譲渡
貴石・貴金属・書画・骨董など(1個または1組30万円超)課税生活に通常必要でない動産
仕入れて販売するビジネス目的の商品課税事業所得・雑所得に該当
不動産(生活用・事業用を問わず)課税動産ではなく不動産のため

📌 ポイント

メルカリで非課税になるのは、あくまでも「生活上の不用品の処分」に限ります。仕入れて転売するビジネス目的の販売は、たとえメルカリを使っていても非課税にはなりません。確定申告が必要です。

⚠️ 注意

貴石・貴金属・書画・骨董などのいわゆる贅沢品・高価品で1個または1組の価格(取得価額)が30万円を超えるものは「生活に通常必要でない動産」として課税対象になります。

📝 このセクションのまとめ

  • 生活用の不用品をメルカリで売った収入は非課税
  • 1個(1組)30万円超の貴金属・書画・骨董等は課税対象
  • 仕入れて販売するビジネス目的のメルカリ販売は課税・確定申告が必要
  • 不動産は生活用・事業用を問わず課税

⑤生活保護費、⑥通勤手当・出張日当・社宅家賃

生活保護費は、生活保護という制度の性質上、非課税とされています。

会社員が受け取る以下の福利厚生的な支給も非課税です。

  • 通勤手当(月額15万円以内のもの)
  • 出張日当
  • 転勤旅費の会社負担分
  • 一定の社宅家賃(会社員から一部を徴収することが条件)

⚠️ 注意

中小企業にお勤めの方で、毎月受け取る通勤手当・定期代が所得税・住民税の課税対象として給与明細に記載されている場合、それは誤りです。月額15万円以内の通勤手当は非課税ですので、会社に指摘してみてください。

📝 このセクションのまとめ

  • 生活保護費は非課税
  • 通勤手当は月額15万円以内なら非課税
  • 出張日当・転勤旅費・社宅家賃(一定条件あり)も非課税

⑦宝くじ当選金・TOTO払戻金、⑧NISA非課税口座の利益

宝くじの当選金およびスポーツ振興投票券(TOTO)の払戻金は非課税です。宝くじについては当選金付き証票法第13条で規定されています。年末ジャンボ宝くじに当選しても、確定申告は不要です。

NISA(少額投資非課税制度)等の非課税口座で得た株の配当金や売却益も非課税です。2024年以降は制度が大幅に拡充されています。

制度非課税枠期間制限
旧NISA(一般・積立)最大800万円(積立)/600万円(一般)20年 or 5年
新NISA(2024年〜)生涯1,800万円無期限(生涯非課税)

📌 NISAと「特定口座(源泉徴収あり)」の違いに注意

株式投資では特定口座(源泉徴収あり)を選ぶ方も多いですが、これはNISAとは全く異なります。

  • NISA口座:いくら儲けても税金はゼロ(非課税)
  • 特定口座(源泉徴収あり)所得税・住民税合計で20.315%が課税されるが、税金の計算・徴収を証券会社が行うため確定申告の手間が不要になる制度

「申告不要=税金ゼロ」ではありません。特定口座は課税されているが手間が省けるという仕組みです。

📝 このセクションのまとめ

  • 宝くじ当選金・TOTO払戻金は非課税(確定申告不要)
  • NISA口座の利益はどれだけ大きくても非課税
  • 2024年以降の新NISAは生涯非課税枠1,800万円・期間制限なし
  • 特定口座(源泉徴収あり)は「課税されるが申告手続きが不要」という別制度

⑨ノーベル賞賞金品など|その他の課税・非課税の境界線

文化功労者年金・学術や芸術の奨励金・ノーベル賞の賞金品なども非課税とされています。対象となる方は非常に限られますが、こういった規定があることは覚えておきましょう。

ここで、非課税の収入9選以外に「課税・非課税の境界線」で迷いやすいケースも確認しておきます。

収入の種類課税・非課税備考
競馬・パチンコ・麻雀などのギャンブル収益課税一時所得または雑所得
他人から物をもらった(贈り物)所得税は非課税贈与税が別途かかる場合あり
敷金収入(将来返還が確定していない部分)収入確定時まで課税繰り延べ預かり段階では収入にならない

⚠️ 注意:ギャンブル収益は課税対象

宝くじ・TOTOは非課税ですが、競馬・パチンコ・麻雀などのギャンブル収益は厳密には課税対象です。混同しないようにご注意ください。

⚠️ 注意:贈り物には贈与税がかかる場合あり

他人から何か物をもらった場合、所得税は非課税ですが、贈与税という別の税金がかかるシステムになっています。「所得税がかからない=完全に無税」とは限りません。

📝 このセクションのまとめ

  • 文化功労者年金・ノーベル賞賞金品なども非課税
  • 競馬・パチンコ等のギャンブル収益は課税対象(宝くじとは異なる)
  • 贈り物は所得税非課税だが、贈与税がかかる場合がある
  • 敷金は収入が確定した段階で課税される(預かり時点では非課税ではなく課税繰り延べ)

まとめ|非課税収入9選を正しく理解して正確な確定申告を

今回ご紹介した、所得税が非課税となる個人の収入9選を改めて整理します。

  1. 遺族年金・障害年金(老齢年金は課税)
  2. 交通事故等の示談金・損害賠償金・慰謝料(心身への損害に限る)
  3. 失業給付・出産手当金・傷病手当金・育児休業給付金など
  4. 家具・衣類などの生活用動産の譲渡(メルカリ等での不用品処分)(ビジネス目的・贅沢品は課税)
  5. 生活保護費
  6. 月額15万円以内の通勤手当・出張日当・転勤旅費・社宅家賃
  7. 宝くじ当選金・TOTO払戻金
  8. NISA等の非課税口座で得た配当金・売却益
  9. 文化功労者年金・学術芸術奨励金・ノーベル賞賞金品など

📌 最終ポイント

確定申告、特に初めての方は、これらの非課税収入を課税収入に含めてしまわないよう注意してください。無駄な税金を払う必要はありません。正しい知識で、正確な申告を行いましょう。

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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