年金繰り上げ受給は60歳が最強にお得?メリット・注意点を税理士が解説

年金繰り上げ受給は60歳が最強にお得?メリット・注意点を税理士が解説
e_zeirishi

年金は何歳からもらうのが得?繰り上げ受給のメリットと注意点を税理士が徹底解説します。

日本の年金制度の基本的な仕組み

まず、簡単に年金制度の仕組みについて見ていきましょう。

日本の公的年金制度は、20歳以上60歳未満の全ての方が加入する国民年金と、会社員や公務員の方が加入する厚生年金の2階建て構造になっています。

国民年金は全ての方が加入する土台になる部分ですので、基礎年金とも呼ばれたりします。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

つまり、会社員とか公務員は2つの年金制度に加入しているってことなんですか?

サトウ
サトウ

はい。老齢基礎年金と老齢厚生年金を両方もらえるので、その分将来もらえる年金額も多くなってきます。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

繰り上げ受給・繰り下げ受給とは?

じゃあ、この繰り上げ受給と繰り下げ受給についても教えてください。

サトウ
サトウ

はい。老齢基礎年金と老齢厚生年金は基本的に65歳から受け取ることができます。

ただ、65歳よりも前にもらい始める繰り上げ受給か、65歳から後にもらい始める繰り下げ受給を選択することもできます。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

そうなんですね。

サトウ
サトウ

ここで気をつけておきたいポイントは、受給開始を一度選択したら、減額・増額された率は生涯変更できないという点です。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

一生変更できないってことですか?これはちょっと慎重に検討する必要がありますね。

サトウ
サトウ

そうなんです。続いて、繰り上げ受給と繰り下げ受給の概要を見ていきましょう。

60歳から65歳になるまでの間に繰り上げて受け取ることを繰り上げ受給と言います。繰り上げ受給をする場合は、繰り上げた月数×0.4%で、1年で4.8%が減額されます。最大で24%減額されます。

注意点は、老齢基礎年金と老齢厚生年金は同時に繰り上げる必要があるという点ですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

65歳で受け取らずに75歳までの間で繰り下げて増加した年金を受け取ることを繰り下げ受給と言います。繰り下げ受給をする場合の増加率は、繰り下げた月数×0.7%で、5年間遅らせると最大42%増、10年間遅らせると最大84%増になります。

繰り下げ受給は繰り上げ受給とは異なり、老齢基礎年金と老齢厚生年金を別々に繰り下げることができます。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。繰り上げ受給と繰り下げ受給をしている人って、それぞれどれくらいいるんですか?

サトウ
サトウ

令和4年度の国民年金受給権者の中で、繰り上げ受給をした人は全体の10.8%、繰り下げ受給をした人は全体の2.0%ですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

ということは、繰り上げしている人の方が多いってことですね。

サトウ
サトウ

はい。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

繰り上げ受給のメリット①:健康なうちに受け取れる

じゃあ、繰り上げ受給のメリットについても教えてください。

サトウ
サトウ

はい。メリットの1つ目は、健康なうちに受け取れるということです。

2019年のデータによると、平均寿命は男性が約81歳、女性が約87歳なのに対し、健康寿命は男性が約73歳、女性が約75歳になっています。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

ということは、平均寿命と健康寿命は男性で約9年、女性で約12年の開きがあるってことですね。健康でいられる期間は寿命よりもっと短いってことですね。

サトウ
サトウ

はい。そして、年金受給総額の表(税金やインフレを考慮していない額面ベースでの簡易的なもの)で見ると、60歳から受給する場合と65歳から受給する場合の損益分岐点は79歳なんです。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。ということは、79歳までは早くもらい始めた方が有利ってことなんですね。

サトウ
サトウ

はい。ちなみに65歳より後に繰り下げ受給した場合についても触れておくと、70歳受給開始の場合は81歳を超えると65歳からもらう場合よりも得をする75歳受給開始の場合は86歳を超えると65歳からもらい始めるよりも得をするということになります。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

まあ当たり前ですけど、長く生きれば生きるほど繰り下げ受給した方がお得になるってことですよね。

サトウ
サトウ

はい。ただ、何歳まで生きることができるかというのは誰にも分かりません。健康寿命が男女ともに70代前半ということを踏まえると、繰り上げて健康なうちに受け取って旅行やレジャーに使うのも1つの手ってことですよね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

だと思います。

サトウ
サトウ

繰り上げ受給のメリット②:インフレに対応しやすい

繰り上げ受給のメリットの2つ目は、インフレに対応しやすいということです。

日本銀行は消費者物価の前年比上昇率を2%にすることを物価安定の目標としています。言い換えると、年2%のインフレ率を目標としているということになります。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。国としてはインフレを目指して金融政策を行っているってことですよね。最近は確かに物価も上がってインフレ傾向にあると思うんですけれども、年金をもらう際にはどんな影響が出てくるんでしょうか?

サトウ
サトウ

はい。実は、もらえる年金額ってインフレ率が高いと実質的に目減りしてしまうんですよ。

目減りする理由は、2004年の年金制度改正で導入されたマクロ経済スライドという調整があるからです。難しいので簡単に説明すると、インフレ時でも物価の上昇幅よりも年金額が上がらないように年金額を調整する仕組みになっているということです。

現役世代の負担が大きくならないようにするための調整なんですけれども、裏を返せばインフレ時には年金のもらえる額が実質目減りしてしまうということですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。じゃあ今後もインフレが続くとすると、目減りしてしまうってことなんですね。

サトウ
サトウ

そうなんですよ。複利は時間が経てば経つほど効いてきますので、年金を早めにもらって運用に回してあげることでインフレの影響を受けにくくなるかなと思いますね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。

サトウ
サトウ

繰り上げ受給のメリット③:制度が改悪される前にもらえる

メリットの3つ目は、制度が改悪される前に年金がもらえるということです。

当初は55歳だった厚生年金の受給開始年齢が、段階的に65歳まで引き上げられていったという過去がありますよね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

うん。最近では年金の受給開始が70歳になるんじゃないかっていう話も聞きますからね。

サトウ
サトウ

そうですね。現状の少子高齢化を踏まえると、年金が現状よりいい水準でもらえるようになるというのは考えにくいかなと思いますね。年金制度がどんどん改悪されていく傾向にあるので、今の水準のうちにもらっておこうという考え方もできますよね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

はい。

サトウ
サトウ

繰り上げ受給の注意点①:在職老齢年金による減額

次に、この繰り上げ受給を選ぶ場合の注意点についても教えてください。

サトウ
サトウ

はい。減額率は生涯変更できない、老齢基礎年金と老齢厚生年金は同時に繰り上げる必要がある、長生きした場合に総受給額が少なくなる、この3点はすでに取り上げたので、それ以外で注意すべきポイントを解説していきます。

注意点の1つ目は、働き続けている場合は減額されることがあるという点です。

60歳以降に厚生年金を受け取りながら働く場合、在職老齢年金という仕組みの対象になってしまいます。これは、老齢厚生年金の月額と月給・直近1年間の賞与の1/12の合計額が支給停止調整額を超えてしまうと老齢厚生年金が減額されてしまうというものです。

支給停止調整額は毎年4月に見直されていて、2023年は48万円、2024年は50万円になっています。

例えば、給与と年金の合計が70万円の場合、老齢厚生年金のうち7万円が支給停止されてしまいます。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

老齢基礎年金の方はもらえるんですか?

サトウ
サトウ

老齢基礎年金は収入に関わらず全額もらうことができます。

また、雇用保険の基本手当(失業給付)や高年齢雇用継続給付金をもらう場合も、老齢厚生年金の一部または全額が給付停止になります。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

60歳以降に働き続ける場合や失業給付をもらう場合は、これよく考えた方がいいってことですよね。

サトウ
サトウ

はい。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

繰り上げ受給の注意点②③:任意加入・追納と他の年金への影響

2つ目は、任意加入や追納ができなくなるという点です。

国民年金の加入が40年に満たない場合、過去10年分にわたり追納ができたり、60歳から65歳になるまでの間に任意加入をすることで不足分を収めることができます。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

任意加入や追納で年金額を増やせるってことですね。

サトウ
サトウ

ただ、繰り上げ受給をすると任意加入や追納ができなくなってしまうんですよ。加入期間が40年を満たしていない場合は、これは注意してもらいたいところになります。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

うん。

サトウ
サトウ

3つ目は、老齢年金以外の年金がもらえなくなる恐れがあるという点です。繰り上げ受給をしてしまうと、

障害基礎年金・障害厚生年金を請求することができなくなる
65歳になるまでの期間は遺族年金と老齢年金を一緒に受け取れなくなる
夫が死亡した場合に妻が60歳から65歳の間にもらえる寡婦年金が受け取れなくなる

というようなデメリットがあります。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

治療中の病気や持病がある方や、家族の体調に不安がある方は気をつけた方がいいってことなんですか?

サトウ
サトウ

はい。繰り上げ受給のメリット・デメリットをよく確認して、慎重に検討することをお勧めします。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

ありがとうございます。よく分かりました。

サトウ
サトウ

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
本サイトは 社長の資産防衛チャンネルを応援しています!

関連記事

65歳以降も働くと損?社会保険と年金の損得を税理士が徹底解説
     

東京エリア

千代田・中央・港区から副都心各区まで、東京の優良税理士法人ランキング

関西エリア

大阪・京都・兵庫・岡山など関西圏の信頼できる税理士法人ランキング

関東エリア

首都圏の神奈川・埼玉・千葉・北関東で実績のある税理士法人ランキング

中部エリア

製造業の集積地、中部・北陸圏で企業支援に強い税理士法人ランキング

九州・沖縄

九州・沖縄地域で地域密着型サービスに定評のある税理士法人ランキング

その他地域

北海道・東北・中国・四国地方の地域に根ざした税理士法人ランキング

記事URLをコピーしました
税理士紹介はこちら
税理士紹介はこちら