コラム

顧問税理士を変える際のポイント

e_zeirishi

最近、うちの会社の顧問税理士とのやり取りに不満を感じています。質問への回答が遅かったり、節税対策についてあまり積極的なアドバイスがなかったり…。そろそろ顧問税理士の変更を検討しているのですが、どういったポイントに注意して選べばいいのでしょうか?

サトウさん、そのようなお悩みは多くの経営者や個人事業主の方が抱えていらっしゃいます。顧問税理士は単なる税務書類の作成者ではなく、ビジネスパートナーとして重要な存在です。

顧問税理士を変更する際には、いくつかの重要なポイントがあります。今日はそれらについて詳しくお話ししましょう。

税理士ガイド
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1. 現在の税理士との契約解除手続き

まず気になるのは、現在の税理士との契約解除はどのように行えばいいのでしょうか?何か特別な手続きが必要ですか?

現在の税理士との契約解除には、以下の点に注意する必要があります:

まず、契約書に記載されている解約条件を確認しましょう。多くの場合、1〜3ヶ月前の事前通知が必要です。突然の解約は避け、誠意をもって対応することが大切です。

次に、「税務代理権限証書」の返還を忘れないでください。これは税務署に提出している書類で、税理士変更時には必ず回収する必要があります。

また、決算期や確定申告の時期は避けるのがベストです。繁忙期の直前での変更は、双方にとって負担が大きくなります。理想的には、決算終了後の落ち着いた時期に行うと円滑です。

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2. 新しい税理士選びの基準

新しい税理士を選ぶ際の基準はどのようなものがあるでしょうか?どんな点をチェックすれば失敗しないですか?

新しい税理士選びでは、以下の点を重視するとよいでしょう:

1. 業種・業界の専門性
自社と同じ業種に強い税理士を選ぶと、業界特有の税務処理や節税対策に詳しいため有利です。例えば、飲食業であれば食材の仕入れや在庫管理に関する税務処理、不動産業であれば減価償却や修繕費・資本的支出の区分など、業種特有の税務処理に精通している税理士が望ましいです。

2. 対応の迅速さとコミュニケーション
初回の問い合わせへの返答速度は、今後の対応の目安になります。また、難しい税務用語をわかりやすく説明できるかどうかも重要です。顧問契約前の面談で、質問への回答が明確で分かりやすいかを確認しましょう。

3. サービス内容と報酬体系
月額顧問料に含まれるサービス範囲を明確にしてもらいましょう。例えば、月次試算表の作成は含まれるか、税務調査の立会いは別料金かなど、細かく確認することが重要です。顧問料が安くても、追加料金が多発するケースもあります。

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3. 具体的な節税対策の提案力

前の税理士は節税対策についてあまり積極的ではなかったので、特に節税面でのアドバイス力を重視したいです。どのように見極めればよいでしょうか?

節税対策の提案力を見極めるポイントをいくつかご紹介します:

まず、初回面談時に「自社の状況における効果的な節税策」について具体的に質問してみましょう。表面的な回答ではなく、具体的な提案ができるかがポイントです。

例えば、法人であれば役員報酬の適正化や決算賞与の活用方法、少額減価償却資産の特例(30万円未満の資産を一括で経費計上できる制度)の活用法など、具体的な提案ができるかを確認します。

また、中小企業向けの税額控除制度(例:所得拡大促進税制、中小企業投資促進税制など)について、自社がどう活用できるか説明できるかも重要です。

さらに、将来的な事業展開や資産運用に関する税務面からのアドバイスができるかどうかも確認しておくと良いでしょう。単年度の節税だけでなく、中長期的な視点での税務戦略を提案できる税理士が理想的です。

税理士ガイド
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4. 税務調査対応力

税務調査が来た場合の対応も心配です。税理士の税務調査対応力はどのように判断すればよいのでしょうか?

税務調査対応力は非常に重要なポイントです。以下の点から判断するとよいでしょう:

まず、税務調査の実績と成功事例について質問してみましょう。具体的な事例を挙げながら説明できる税理士は、実際の経験が豊富である可能性が高いです。

次に、税務調査前の準備をどのように行うかを確認します。優れた税理士は、事前に「簿外資産・負債の有無」「役員貸付金・借入金の実態確認」「給与・外注費の根拠資料」など、指摘されやすいポイントの確認と対策を提案します。

また、税務調査当日の立会いについても確認しましょう。顧問税理士本人が立ち会うのか、それとも補助者が対応するのか。税務署とのやり取りの経験が豊富な税理士であれば、調査官との適切な交渉が期待できます。

さらに、もし追徴課税が発生した場合の対応方針についても聞いておくと良いでしょう。場合によっては不服申立てなどの手続きも必要になりますので、その経験や方針も重要です。

税理士ガイド
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5. 税理士変更の最適なタイミング

税理士を変更するベストなタイミングはいつなのでしょうか?また、引継ぎはどのように行うべきですか?

税理士変更の最適なタイミングと引継ぎのポイントをご説明します:

変更の最適なタイミングは、決算申告が終わった直後です。具体的には、法人であれば決算月の2〜3ヶ月後、個人事業主であれば3月の確定申告後の4月〜5月頃が理想的です。この時期は比較的税務処理が落ち着いており、新しい税理士への引継ぎもスムーズに行えます。

引継ぎについては、以下の書類やデータの移行が必要です:

・過去3年分の確定申告書および決算書
・固定資産台帳(減価償却資産の明細)
・青色申告の承認申請書のコピー
・消費税の課税事業者選択届出書(該当する場合)
・法人設立時の定款や登記簿謄本(法人の場合)
・会計ソフトのデータ(可能であれば)

また、新旧の税理士間での直接的な引継ぎが理想的ですが、難しい場合は必要書類のリストを現税理士に提示して、それらを受け取った上で新しい税理士に渡す方法もあります。

引継ぎ時には、過去の特殊な税務処理や税務上の懸念事項があれば、新しい税理士に必ず伝えておくことが重要です。例えば、過去に税務調査を受けた場合はその内容や指摘事項などを共有しておくと、今後の対策が立てやすくなります。

税理士ガイド
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まとめ

とても参考になりました。最後に、税理士変更のポイントをまとめていただけますか?

サトウさん、顧問税理士の変更は経営にとって重要な決断です。最後に重要なポイントをまとめます:

1. 現税理士との円満な契約終了
契約書の解約条件を確認し、適切な通知期間を設けて誠意ある対応を心がけましょう。

2. 業種への理解と専門性の確認
自社の業種や事業内容に精通しているかどうかは、具体的な税務処理の質に直結します。

3. 具体的な節税提案力
「経費計上すれば節税になる」といった一般論ではなく、例えば「リース契約から所有への切り替えで○○の節税効果がある」など、具体的な提案ができる税理士を選びましょう。

4. コミュニケーション能力と相性
長期的なビジネスパートナーとなる関係なので、質問への回答の明確さや対応の親身さも重要です。

5. 変更の適切なタイミングを選ぶ
決算・申告業務の直後が引継ぎに最適です。

最適な税理士との出会いが、サトウさんのビジネスの更なる発展につながることを願っています。税理士変更をご検討の際は、複数の候補と面談し、じっくり比較検討されることをお勧めします。

税理士ガイド
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顧問税理士の変更は、経営者や個人事業主にとって重要な意思決定です。変更する際は、現在の税理士との契約条件を確認し、新しい税理士の専門性、対応力、コミュニケーション能力などを総合的に判断することが大切です。特に、自社の業種に精通しているか、具体的な節税提案ができるか、税務調査への対応力はどうかなどを見極めましょう。最適なタイミングで円滑に引継ぎを行い、より良いビジネスパートナーを見つけることで、事業の発展につなげていきましょう。

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