年末調整で会社員が毎年すべきことを徹底解説|節税のプロが教える提出書類と記載方法

年末調整で会社員が毎年すべきことを徹底解説|節税のプロが教える提出書類と記載方法
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年末調整は会社員最大の節税イベント。仕組みを知れば税金が変わります。

年末調整に対する「一般のイメージ」と「本当のこと」のギャップ

年末調整に対して、多くの人は次のようなイメージを持っています。

  • 源泉徴収票がもらえる
  • なんか紙を提出するように言われるから出す
  • 給料に上乗せされてお金がもらえる

これらは全部間違っていません。ただ、これらは「年末調整をするために必要なこと」や「年末調整をした結果として起きること」であって、年末調整そのものではないのです。

従業員側からの視点でそう捉えること自体はダメではありませんが、節税という観点からはもっと知っておくべきことがあります。それが「会社が実際にやっていること」です。

📝 このセクションのまとめ

  • 源泉徴収票・お金が戻る・書類提出は「年末調整の結果や手段」であって年末調整そのものではない
  • 節税するには会社側の視点で年末調整を理解することが重要

会社が年末調整で実際にやっていること3つ

年末調整とは何かを正確に理解するために、会社側が行っていることを3つに分けて確認しましょう。

やっていること具体的な内容
① 従業員の所得税の計算1人の社員なら1人分、100人いれば100通りの税金計算を行う
② 各方面への報告従業員本人・各自治体・税務署へ税金計算結果を報告する
③ 給与以外の情報も報告不動産仲介手数料・士業への報酬・個人事業主への報酬なども税務署に報告する

フリーランスや個人事業主が「確定申告が大変だ」と年明けに苦しんでいるのは、自分の税金を自分で計算して税務署に申告しなければならないからです。その作業と同様のことを、会社は従業員全員分まとめてやらなければなりません。

たとえば社員が100人いれば100通り、1万人いれば1万通りの税金計算があります。それを管理部・経理部の10人や20人でこなすわけですから、その忙しさは相当なものです。

📌 ポイント

年末調整のすべての作業は1月31日までに完了させなければなりません。タイトなスケジュールの中で経理部・管理部が対応していることを理解しておきましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 会社は従業員全員の所得税を計算し、従業員・自治体・税務署に報告する義務がある
  • 給与以外の報酬情報もまとめて税務署に報告する
  • これら全てを1月31日までに完了させなければならない

なぜ書類を提出することが節税につながるのか

会社は従業員の全てを把握しているわけではありません。配偶者がいくら所得を持っているか、扶養親族は何人いるか、どんな保険に入っているか——これらは従業員側から教えてもらわないと分からないのです。

適正な税金を計算するためには従業員から必ず資料を預からなければなりません。だからこそ、しっかりと資料を提出することが今日の結論です。

書類を出す理由は2つあります。

  • 自分の節税のため:伝えなければ税金計算に反映されず、せっかく節税になるものも使えないまま税金が高くなってしまう
  • 経理部・管理部のため:大変な作業をしている担当者が期限内に正確に処理できるよう、言われた通り・期限通りに提出してあげることが会社のためにもなる

📌 ポイント

早めに提出すれば経理部・管理部がゆっくり計算できる時間が生まれ、ミスが減ります。自分の税金の計算をミスられる可能性が減るという意味で、早期提出は自分自身へのメリットでもあります。

📝 このセクションのまとめ

  • 会社は従業員の家族構成・保険・資産状況を知らないため、自分から教える必要がある
  • 書類未提出=節税機会の損失につながる
  • 期限より早めに提出することで計算ミスのリスクも減る

会社から求められる3種類の申告書とは

会社から提出を求められる書類は主に3種類です。それぞれの役割を整理しておきましょう。

書類名主な記載内容提出が必要な人
扶養控除等申告書自分・配偶者・子どもなど家族の情報全員(必須)
保険料控除申告書生命保険・医療保険・iDeCoなどの情報該当する保険等がある人
基礎控除申告書基礎控除・配偶者控除・所得金額調整控除全員(内容に応じて記載)

📌 ポイント

「空欄を全部埋めなければならない」というマインドは捨てましょう。書かなくていいところも大量にあります。自分に関係のない欄は自信を持って空欄で提出してOKです。

📝 このセクションのまとめ

  • 提出書類は3種類:扶養控除等申告書・保険料控除申告書・基礎控除申告書
  • 全部の欄を埋める必要はなく、関係ない欄は空欄でよい
  • 保険がある場合は生命保険会社から届く控除証明書も添付する

各申告書の記載ポイントを詳しく確認

3種類の申告書それぞれについて、記載のポイントを見ていきましょう。

① 扶養控除等申告書

これは全員が提出しなければならない書類です。自分の家族の情報を記載するもので、言われるがままに記入すれば問題ありません。配偶者や子どもがいる方はその情報を書き、独身の方は一番上に自分の名前と住所を書いて終わり、というくらいシンプルに考えてよいです。

なお、会社の都合で翌年度分(来年度分)も一緒に提出を求められることがありますが、その場合も言われるがままに記載してください。

② 保険料控除申告書

生命保険・医療保険・iDeCoなどに加入している方が記載・提出する書類です。該当するものがない方は提出不要です。生命保険だけ入っている方はiDeCoの欄は空欄、といった具合に自分に関係ある部分だけ記載すれば十分です。

📌 ポイント

保険料控除申告書の記載が多少間違っていても、生命保険会社から送られてくる控除証明書を添付することで、会社側はそちらを信じて税金計算します。控除証明書の添付を忘れずに。

③ 基礎控除申告書

この書類は少し複雑です。名前は「基礎控除申告書」ですが、実際には3つの内容が1枚に入っています。

  • 基礎控除の記載欄
  • 配偶者控除の記載欄
  • 所得金額調整控除の記載欄

配偶者がいない方・所得金額調整控除が関係ない方は、基礎控除の部分だけ記載すれば2/3は書かなくていいことになります。これを知っているだけで気持ちがかなり楽になります。

📝 このセクションのまとめ

  • 扶養控除等申告書は全員必須・家族情報を書くだけ
  • 保険料控除申告書は該当者のみ・控除証明書の添付を忘れずに
  • 基礎控除申告書には基礎控除・配偶者控除・所得金額調整控除の3つが入っている

基礎控除・配偶者控除・所得金額調整控除の記載ポイント

基礎控除申告書の3つの内容について、それぞれ詳しく確認します。

基礎控除について

令和6年(2024年)までは基礎控除額は48万円一律で、給料約2,500万円までの人は全員受けられるシンプルな制度でした。しかし令和7年(2025年)からは大きく変わります。

区分令和6年まで令和7年から
基礎控除額の段階数一律(実質1段階)5段階に細分化
控除額一律48万円所得に応じて変動
上限年収目安約2,500万円変更あり

⚠️ 注意

令和7年の基礎控除は5段階に細分化されます。記載を間違える人が大量に出ることが予想されますが、ほとんどの経理部・管理部は年末調整ソフト・給与計算ソフトで計算するため、給料の金額が分かっていれば適正に計算されます。分からなければ経理部・管理部に確認しましょう。

配偶者控除について

配偶者がいる方が記載する欄です。配偶者の所得が一定を下回ると自分の税金に優遇が受けられます。配偶者の年収が103万円以下であれば所得金額は0円と記載してください。

「給料」ではなく「所得金額」を書くよう求められるため迷う方も多いですが、分からなければ経理部・管理部に「配偶者の給料がこれくらいなのですが所得金額はいくらになりますか」と聞いてしまうのが一番早いです。

所得金額調整控除について

これは関係ない人の方が多い項目です。受けるためには複数の要件を全て満たす必要があります。

  • 給与収入が850万円を超えること
  • かつ、23歳未満の扶養親族がいる、または特定の障害者の扶養親族がいるなどの要件を満たすこと

850万円を超えていない場合は関係ない欄なので空欄でOKです。「自分は受けられるかもしれない」と思ったら、経理部・管理部の詳しい担当者に相談しましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 基礎控除は令和7年から5段階に変わる。ソフトで計算されるため大きく心配しなくてよい
  • 配偶者の年収103万円以下なら所得金額0円と記載
  • 所得金額調整控除は給与850万円超かつ一定要件を満たす人のみ。超えていなければ空欄でOK
  • 分からないことは経理部・管理部に聞くのが最善

年末調整で節税するために今すぐやるべきこと

年末調整の全体像と提出書類を理解したうえで、節税のために実践すべきことをまとめます。

  1. 会社から求められる3種類の申告書を期限内(できれば早めに)提出する
  2. 保険に入っている場合は生命保険会社からの控除証明書を添付する
  3. 住宅ローン控除がある場合はその添付書類も忘れずに提出する
  4. 自分だけが知っている情報(配偶者の収入・家族構成・保険・住宅など)を漏れなく伝える
  5. 分からない欄は経理部・管理部に積極的に確認する

📌 ポイント

所得控除には全15種類あり、うち年末調整で使えるものは12種類あります。どんな控除があって、どういう人が対象で、どれくらい税金が安くなるのかを把握しておくと、さらに節税効果が高まります。

⚠️ 注意

年末調整では所得税の計算ミスが発生することもあります。早めに書類を提出して経理部・管理部に余裕を持って処理してもらうことが、自分の税金を正確に計算してもらうための最善策です。

📝 このセクションのまとめ

  • 3種類の申告書と添付書類を期限より早めに提出する
  • 自分しか知らない情報を漏れなく会社に伝えることが節税の基本
  • 所得控除は全15種類・年末調整で使えるのは12種類。詳細は別途確認を
  • 分からないことは経理部・管理部に遠慮なく聞く

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 大河内薫のマネリテ学園 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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