費用相場
最終更新

税理士の費用・顧問料の相場はいくら?【2026年最新】規模別の適正価格と選び方

税理士の費用・顧問料の相場はいくら?【2026年最新】規模別の適正価格と選び方
ガイドリー株式会社 代表取締役/税理士紹介メディア「良い税理士」運営 宮田 匠
この記事の執筆者
ガイドリー株式会社 代表取締役/税理士紹介メディア「良い税理士」運営宮田 匠

あなたにぴったりの税理士を無料でご紹介

無料

結論:税理士費用の相場(2026年)

  • 法人の顧問料は月額1万〜5万円が中心(年商5億円までなら上限10万円程度)。これに決算申告料(月額顧問料の4〜6ヶ月分)が年1回加わる
  • 個人事業主の顧問料は月額1万〜3万円。確定申告だけをスポットで頼むなら年5万〜15万円
  • 記帳代行を任せると月額5千〜3万円が追加。年末調整・給与計算・税務調査対応は別料金が一般的
  • 同じ年商でも価格差が出る理由は「作業代行」か「経営のパートナー」か。安い=質が低い、ではない
年間売上高法人:月額顧問料法人:決算申告料(年額)個人事業主:月額顧問料
〜1,000万円1万〜2.5万円10万〜15万円1万〜2万円
1,000万〜5,000万円1.5万〜5万円12万〜25万円1.5万〜3.5万円
5,000万〜5億円2.5万〜10万円20万〜40万円2.5万〜5万円
税理士への依頼を検討しているけれど、「結局いくらかかるの?」「今の顧問料は高すぎないか?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。

税理士の報酬は、2002年の税理士法改正で報酬規定が撤廃されて以来、各事務所が自由に決めています。だからこそ「相場」は一つの数字ではなく、事業規模・依頼範囲・面談頻度で決まるとして理解する必要があります。

本記事では、上の結論をもう一段細かくした年商×面談頻度の料金表に加え、当メディアに掲載している税理士事務所の公開料金を実際に集計した一次データ、そして110人以上の税理士への取材から見えた「価格差の正体」までを、税理士紹介の実務に携わる立場から解説します。

税理士費用は「顧問料・決算申告料・記帳代行」の3層でできている

顧問契約とスポット契約の違いを図解
見積書を見て「思ったより高い」と感じる原因の多くは、費用が3つの層に分かれていることを知らないまま月額だけを比べていることにあります。

月額顧問料:日常の税務相談、月次の数字のチェック、節税や資金繰りの助言に対する対価
決算申告料:年1回の決算書作成と法人税・消費税等の申告に対する対価。月額顧問料の4〜6ヶ月分に設定する事務所が多く、「決算料0円・月額固定」に一本化する事務所も出てきています
記帳代行料:領収書や通帳から仕訳を入力する作業の対価。自社で会計ソフトに入力する「自計化」をすれば不要になります

この3層の上に、年末調整・給与計算・税務調査対応などのオプションが乗る、というのが税理士費用の全体像です。
顧問契約(継続)スポット契約(単発)
費用の発生月額顧問料 + 決算申告料依頼ごとに都度払い
主なサービス月次の経理チェック、税務相談、節税提案、決算・申告確定申告、税務調査対応、会社設立など特定業務のみ
向いている人経営判断のサポートが欲しい法人、成長期の事業者自分で記帳でき、申告だけ任せたい個人事業主
年間コスト目安月額顧問料×12ヶ月 + 決算料依頼した業務の報酬のみ
法人と個人事業主の違いも押さえておきましょう。法人は決算書類が複雑で法人税・消費税・法人住民税など申告の種類も多いため、個人事業主より費用が高くなる傾向があります。一方、個人事業主は確定申告のみのスポット依頼も選択しやすく、費用を抑えやすい構造です。

【料金表】法人の税理士顧問料の相場(年商×面談頻度)

法人の税理士費用 年商規模別の図解
法人の税理士費用は「年間売上高」と「税理士との面談頻度」によって大きく変動します。売上規模が大きいほど仕訳数や申告書類の複雑性が増し、面談回数が多いほど税理士の稼働時間が増えるため、顧問料が上がる構造です。
年間売上高年1回(決算時のみ)四半期に1回毎月決算申告料(年額)記帳代行(月額)
〜1,000万円1万〜1.5万円1.5万〜2万円2万〜2.5万円10万〜15万円5千〜1万円
1,000万〜3,000万円1.5万〜2万円2万〜2.5万円2.5万〜3.5万円12万〜20万円8千〜1.5万円
3,000万〜5,000万円2万〜2.5万円2.5万〜3.5万円3万〜5万円15万〜25万円1万〜2万円
5,000万〜1億円2.5万〜3.5万円3万〜4.5万円4万〜7万円20万〜30万円1.5万〜3万円
1億〜5億円3.5万〜5万円4.5万〜7万円6万〜10万円25万〜40万円2万〜5万円
※上記は一般的な市場相場であり、事務所の所在地域・専門分野・サービス範囲によって異なります。金額はすべて税抜表示です。決算申告料は「月額顧問料の4〜6ヶ月分」を目安に設定する事務所が多く、上表の年額はその慣行とほぼ一致します。

年間総額の計算例
・売上1,000万円未満の法人が、年1回の面談+自計化(記帳は自社):月額1万円 × 12ヶ月 + 決算申告料10万円 = 年間約22万円
・売上3,000万円の法人が、毎月面談+記帳代行を依頼:月額3万円 × 12ヶ月 + 決算申告料15万円 + 記帳代行1万円 × 12ヶ月 = 年間約63万円
・売上1億円の法人が、四半期面談+年末調整(従業員10名):月額4万円 × 12ヶ月 + 決算申告料25万円 + 年末調整3万円 = 年間約76万円

「うちの場合はいくら?」が30秒でわかります

この相場、自社のケースだと高い?安い?——売上規模と依頼したい内容を伝えるだけで、コンシェルジュが無料で目安をお伝えします。相場観の確認だけでもOKです。

AI診断で自分に合う税理士タイプを見る »

【料金表】個人事業主・フリーランスの税理士顧問料の相場

個人事業主の税理士費用 年商規模別の図解
個人事業主・フリーランスの場合、法人に比べて全体的に費用は抑えめになります。年間を通じた顧問契約か、確定申告のみのスポット依頼かで費用構造が大きく変わります。会計ソフトで自計化している場合は顧問料が1〜2割程度安くなる傾向があります。
年間売上高確定申告のみ(年額)四半期に1回毎月確定申告料・青色(年額)確定申告料・白色(年額)
〜500万円5万〜7万円1万〜1.5万円1.5万〜2万円7万〜10万円5万〜7万円
500万〜1,000万円7万〜10万円1.5万〜2万円2万〜2.5万円10万〜15万円7万〜10万円
1,000万〜3,000万円10万〜15万円2万〜2.5万円2.5万〜3.5万円13万〜20万円10万〜15万円
3,000万〜5,000万円15万〜20万円2.5万〜3.5万円3万〜5万円18万〜25万円13万〜18万円
※「確定申告のみ」の場合、月額顧問料は発生せず、年1回の費用のみです。金額はすべて税抜表示です。

確定申告だけを依頼する場合の相場(副業・サラリーマン・不動産所得のケース別、丸投げ時の加算、安く抑えるコツ)は、確定申告の税理士費用はいくら?個人事業主・フリーランス・副業の丸投げ相場で詳しく解説しています。売上1,000万円を超えて消費税の課税事業者になった方や、インボイス登録をした方は、申告の手間が増えるため顧問契約に切り替える目安になります。

個人事業主・フリーランスの方も、相談だけで大丈夫です

「確定申告だけ頼みたい」「この見積もりは適正?」——予算と依頼内容を伝えるだけで、条件に合う税理士を無料でご紹介します。スポット依頼歓迎の事務所も多数あります。

【実データ】掲載税理士事務所50社の「公開料金」を集計した

一般的な相場表は、どのメディアも似た数字を載せています。そこで当メディアでは、インタビューに応じていただいた税理士事務所112社の公式サイトを2026年9月に確認し、具体的な金額を公開している事務所の料金をそのまま集計しました。サイトを取得できた89社のうち、金額を公開していたのは57%。以下はそのうち抽出精度を確認できた50社の数字です(税込表示は税抜に換算)。
掲載税理士事務所の法人月額顧問料の下限の分布グラフ(n=36)
掲載事務所の公式サイトに記載された「法人の月額顧問料の下限」の分布(2026年9月集計・税抜換算)
項目公開事務所数最低下位25%中央値上位25%最高
法人:月額顧問料(最小年商帯の下限)365,000円2万円2万円2.8万円12万円
法人:決算申告料(年額の下限)233万円11.4万円15万円18万円41.7万円
個人事業主:月額顧問料(下限)165,000円1万円1.8万円2万円5万円
個人事業主:確定申告のみ(下限)151万円2万円3.6万円15万円20万円
記帳代行:月額(下限)211,000円5,250円1万円2.1万円3万円
法人の月額顧問料の下限は中央値2万円。83%の事務所が1万〜3万円の範囲に入っており、上の相場表でいう「年商1,000万〜5,000万円・年1回〜四半期面談」の帯とほぼ重なります。決算申告料の下限の中央値は15万円で、月額顧問料の中央値2万円の約7ヶ月分。「決算料は顧問料の4〜6ヶ月分」という慣行よりやや重く、月額を安く見せて決算料で回収する価格設計が小規模向けプランでは一般的だとわかります。個人事業主の月額顧問料の下限は中央値1.8万円でした。
区分(法人 月額顧問料の下限)事務所数下位25%中央値上位25%
首都圏141.5万円2万円2.8万円
関西51.6万円2.6万円6.5万円
その他地域172万円2.1万円2.6万円
オンライン・全国対応を明記172万円2.5万円2.9万円
対面中心(明記なし)191.5万円2万円2.7万円
地域別の中央値は首都圏2万円(n=14)、関西2.6万円(n=5)、その他地域2.1万円(n=17)。地域による差は小さく(関西は件数が少ないため参考値)、費用を決めているのは所在地より依頼範囲と面談頻度です。オンライン・全国対応を明記している事務所の中央値は2.5万円、対面中心の事務所は2万円。「オンラインだから安い」という通説は、公開料金の下限では確認できませんでした。オンライン型は自計化やチャット対応を前提に月額を組むため、入口の価格はむしろ同等以上です。

この集計の読み方

集計したのは各事務所が公開している「最も小さい規模向けプランの下限額」です。実際の見積もりは年商・仕訳数・面談頻度で上がるため、この数字は「入口の価格」として読んでください。また、料金を公開していない事務所(43%)は個別見積もり型で、経営支援を重視する事務所ほど公開しない傾向があります。集計対象と方法の詳細は執筆者までお問い合わせください。

掲載事務所の「実際の見積もり」を無料で取り寄せます

上の実データに載っている事務所を含め、条件に合う税理士から具体的な見積もりを取ることができます。相場との比較にそのままお使いください。

なぜ同じ年商で「月1万円」と「月5万円」が共存するのか — 税理士110人以上の取材から

低コスト型とパートナー型の違いを図解
上の相場表と実データを見て「なぜこんなに幅があるのか」と感じた方も多いでしょう。実は、同じ年商・同じ業種でも税理士によって顧問料が大きく異なるのは珍しくありません。

当メディアでは110人以上の税理士に直接インタビューを行ってきました。そこから見えてきたのは、価格差の正体は「作業の代行」と「経営のパートナーシップ」の違いだということです。同じ事務所の中に、月額3万円の顧客と月額10万円の顧客が共存している例もあります。
「私が直接担当する顧問サービスとして、月額10万円(確定申告料を含めて年間150万円)を基本に、ご希望に応じて財務コンサルでプラス月5万円、経営計画の伴走でプラス月10万円という二段のオプションを整えています。従来の顧問料水準(月額3万円程度)でお付き合いさせていただいているお客様も、142社のなかには大切にいらっしゃいます」
田中寛之税理士事務所 田中寛之 代表
月額10万円の顧客には毎月2時間の面談で経営の振り返りから入り、月額3万円の顧客には従来型の税務顧問を提供する。価格の差は、税理士が使う時間と関与の深さの差そのものです。以下、取材で見えた3つの類型を紹介します。

「低コストでも質を維持する」税理士の工夫

相場の下限に近い価格設定でもサービスの質を維持している事務所には、共通する特徴があります。ITの徹底活用と業務フローの抜本的な見直しです。

「AI前提で業務フローをゼロから設計し直しています。顧客から質問が来ると、AIが回答案を自動生成し、担当者はそれを確認・修正して送る。効率化しているからこそ人間味に時間を使えるんです」
ソルビス税理士法人 境裕介 代表
「法人税務顧問は完全フルリモートです。『一度お会いできますか』と言われることもありますが、『フルリモートだからこその料金設定なんです』とお伝えすると、皆さんご納得いただけています」
武本寛税理士事務所 武本寛 代表
「一定数お客様がいて訪問と電話をやっていたら従業員をもっと雇わなきゃいけない、事務所も借りなきゃいけない、そうしたら顧問料を上げなきゃいけない。だったらそれを全部なくして、完全オンライン・チャットにして、顧問料もリーズナブルにして、代表税理士が直接対応する
海老名佑介税理士事務所 海老名佑介 代表
「顧問料自体は低いので、他の事務所は手を出したがらないゾーンです」(月額2万円からの創業期向けプランについて)
税理士法人FLAGS 末松 代表
このように、テクノロジーの活用と「訪問・電話をやめる」という割り切りで固定費を下げ、顧問料を抑えつつサービス品質を維持する事務所は確実に増えています。「安い=質が低い」とは限らないのが現在の税理士業界です。

こんな方に向いています

会計ソフトで自分で記帳できる
オンライン面談・チャットでのやり取りに抵抗がない方
定型的な税務処理が中心の事業者、創業期で顧問料を抑えたい方

「相場より高くても依頼する価値がある」税理士の付加価値

一方、相場の上限を超える顧問料を設定していても、クライアントから高い支持を得ている事務所もあります。共通しているのは「税務処理」を超えた経営支援を提供している点です。

「調子が悪いときに『経費を下げろ』とは、僕は絶対に言わない。売上を作る、仕入先を作る、経費を下げる——この3つの中で、経費を下げるのが一番簡単だからこそ、多くの経営者がそこに逃げてしまう
合同経営会計事務所 勝元一仁 代表
「経営者の課題って、税務だけじゃないから。会社を立ち上げたら設立手続きが必要で、人を雇えば労務の問題が出てくる。私たちのところに来れば、弁護士と弁理士以外の士業はほぼカバーしているので、基本的にできないことはない」
ストラーダ税理士法人 山田直輝 代表
節税よりも大事なことがある。税金を際限なく減らすことが目的ではなくて、会社の業績を上げることのほうがはるかに大事。節税のために資金を寝かせていいのは、よほど成熟した企業だけです」
税理士法人タクセイド 峯岸秀幸 代表
「税金を払いたくないから経費を使おうとできるだけ利益を小さくしてしまう方が非常に多い。でも、利益とお金は同じではありません。ある程度の利益を残して税金を払わないと、手元にお金は残らない」
髙嶋のぞみ税理士事務所 髙嶋のぞみ 代表
これらの税理士は、単なる記帳・申告の代行ではなく、経営判断そのものに影響を与えるアドバイスを提供しています。「顧問料が月5万円でも、年間200万円の節税や融資条件の改善につながれば、投資対効果は極めて高い」——これが、高めの顧問料でも選ばれ続ける理由です。

こんな方に向いています

経営の相談相手が欲しい方
税務以外(労務・法務・資金調達)もワンストップで頼みたい方
成長期の法人

専門特化が相場の常識を覆すケース

税務調査対応や特定業種への専門性を持つ税理士は、一般的な相場の枠組みが当てはまらないこともあります。

「税務調査は、調べてみると意外と専門にしている方がいなかった。通算150件ほど対応してきた経験と自信があったので、専門分野にしようと決めました」
サンアップ税理士事務所 三宮大輔 代表
「大家さんへの税務は業界内では『簡単な仕事』と見なされている。でも、30年先の資産をどう守るかを一緒に考えられる税理士は極めて少ない。法人化は一般的に『課税所得1,000万円から』と言われていますが、僕は500万円程度からでもメリットを出せる」
吉田博之税理士事務所 吉田博之 代表
専門性の高い税理士は、一見すると顧問料が高く見えても、追徴税額の圧縮や長期的な資産保全など、相場表には表れない価値を提供しています。

「顧問料5,000円」「年商3,000万円で月いくら」「丸投げの総額」— よくある3つの疑問

相場を調べていると必ず目にする3つの疑問に、先に答えておきます。

「税理士の顧問料5,000円」は本当?

本当ですが、「月額5,000円」は顧問料の全額ではなく入口の価格であることがほとんどです。この価格帯のプランは、①記帳は自分で行う(自計化が前提)、②面談は年1回かオンラインのみ、③決算申告料は別途10万円前後、④質問はチャットで回数制限あり、といった条件が付きます。年間で見ると「5,000円×12ヶ月+決算料10万円=16万円」となり、月額1万円台のプランと大差ないケースも少なくありません。

取材先にも「全国オンライン対応、月額1万円〜・決算料0円」を掲げる事務所がありますが、共通するのは訪問なし・オンライン完結・自計化という前提です。この条件で困らない事業者にとっては合理的な選択肢ですが、「安い理由」を理解したうえで契約することが大切です。

年商3,000万円の法人の税理士顧問料はいくら?

年商3,000万円前後の法人であれば、月額顧問料2万〜3.5万円、決算申告料12万〜20万円が目安です。年1回の面談で自計化していれば年間約35万円、毎月面談+記帳代行を任せると年間約63万円と、依頼範囲によって2倍近い差が出ます。

この規模は消費税の課税事業者(売上1,000万円超)にあたるため、消費税申告が含まれているかを見積もりで必ず確認してください。「決算申告料」に消費税申告が含まれず、別途3万〜5万円がかかる事務所もあります。

税理士に丸投げするといくらかかる?

「丸投げ」=記帳代行・給与計算・年末調整・決算申告をすべて任せる場合、年商1,000万〜3,000万円・従業員5名程度の法人で年間60万〜90万円が目安です。内訳の例:月額顧問料2.5万円×12+記帳代行1.5万円×12+給与計算1万円×12+年末調整3万円+決算申告料15万円=年間約78万円

丸投げの費用対効果を決めるのは「自分が経理に使っている時間の単価」です。月10時間を経理に使っている経営者なら、その時間を営業に回せるかどうかで判断するとブレません。記帳代行の詳しい相場は記帳代行の費用相場は月額いくら?をご覧ください。

税理士費用が変動する5つの要因

税理士費用が変動する5つの要因の図解
相場表で大まかな目安がわかったところで、「自分の場合はどこに当てはまるのか」を判断するために、費用が変動する主な要因を理解しておきましょう。

要因1:事業規模(売上高・従業員数)

最も影響が大きい要因です。売上高が増えれば仕訳数が増加し、従業員が増えれば年末調整や給与計算の業務も発生します。売上1,000万円を超えると消費税の課税事業者となるため、申告業務が追加されることも費用増の一因です。取材先には「顧問料を年商ベースで見直す」と明言する事務所もあり、会社の成長に合わせて顧問料が上がるのは自然なことです。

要因2:記帳代行の有無

会計ソフト(freee、マネーフォワード、弥生など)で自分で記帳する「自計化」ができれば、記帳代行料(月額5千〜5万円)を丸ごと削減できます。日常の取引入力を自社で行い、税理士には月次チェックと決算だけを任せるハイブリッド型が、コスト面で最も効率的です。

要因3:面談・訪問の頻度

対面での訪問が毎月あるのと年1回では、当然コストが変わります。近年はオンライン面談(Zoom等)を採用する事務所が急増しており、対面と同等のコミュニケーションを取りながら費用を抑えることが可能になっています。

要因4:業種の複雑性

飲食業(仕入が多く仕訳が複雑)、建設業(工事進行基準)、EC事業(在庫管理・海外取引)など、業種固有の税務処理が必要な場合は追加費用が発生しやすくなります。逆に、IT・コンサルなど取引がシンプルな業種は比較的安く収まる傾向があります。
業種費用が上がりやすい理由目安となる加算関連記事
飲食・小売現金取引・仕入が多く仕訳数が膨らむ記帳代行が相場の1.2〜1.5倍
建設・不動産工事進行基準・不動産の評価・消費税の判定が複雑顧問料に月5千〜1万円不動産投資家のための税理士の選び方
EC・輸出入在庫・海外取引・プラットフォーム手数料の処理顧問料に月5千〜1万円
医療・クリニック社会保険診療の非課税・医療法人化の論点顧問料が相場の1.2倍前後医療・クリニックに強い税理士の選び方
創業1〜2年目設立手続き・創業融資の支援を含むことが多い設立時は割引、顧問料は相場どおり開業・起業に強い税理士の選び方

要因5:税制対応の複雑さ

インボイス制度への対応、電子帳簿保存法への準拠、国際税務(海外取引・移転価格税制)など、特別な税制対応が必要な場合は専門知識に対する追加報酬が発生します。

オプション費用一覧(年末調整・給与計算・税務調査・設立・相続)

顧問料や確定申告料とは別に、追加の業務を依頼する場合はオプション費用が発生します。必要な業務だけを選んで依頼することで、コストを最適化できます。
オプション項目費用相場単位備考
年末調整基本料1万〜3万円 + 1人あたり1千〜3千円年額従業員10名以下なら基本料のみの事務所も
給与計算基本料5千〜1万円 + 1人あたり500〜1,500円月額社会保険手続き込みの場合は割増
記帳代行5千〜5万円月額月間仕訳数で大きく変動。詳細は記帳代行の費用相場
税務調査対応5万〜20万円1回日当制の事務所も。顧問契約に含まれる場合あり。詳細は税務調査の立ち会い費用相場
会社設立5万〜10万円1回登録免許税等(約20万〜25万円)は別途実費。詳細は会社設立の税理士費用
相続税申告遺産総額の0.5〜1.5%1回最低報酬20万〜30万円が一般的。詳細は相続税の税理士報酬相場

税理士費用を安く抑える4つの方法と、値下げ交渉の現実

税理士費用を抑える4つのテクニックの図解

1. 会計ソフトで日常の記帳を自社化する

最も効果が大きいのが記帳の自計化です。freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトは、銀行口座やクレジットカードとの自動連携により、仕訳入力の手間を大幅に削減してくれます。記帳代行費(月額5千〜5万円)が不要になるだけでなく、税理士の作業が減る分、顧問料自体の交渉材料にもなります。

2. オンライン面談を活用して訪問回数を減らす

訪問頻度を「毎月」から「四半期に1回」に変えるだけで、月額顧問料が数千〜数万円下がるケースは珍しくありません。普段のやり取りはオンライン面談やチャットで行い、決算前など重要な局面だけ対面にする方法がバランスが取れています。

3. スポット契約を上手に使い分ける

創業初期や売上が小さいうちは、年間顧問契約ではなく確定申告だけをスポットで依頼するのも賢い選択です。月額費用が発生しないため、年間のトータルコストを大幅に抑えられます。事業が軌道に乗ってきたタイミングで顧問契約に切り替えるのが合理的です。

4. 複数の税理士から見積もりを取って比較する

同じ業務内容でも、事務所によって見積額は大きく異なります。最低3社から見積もりを取ることで、自分の事業規模での適正価格が見えてきます。見積もり比較の際は、金額だけでなく「何が含まれていて何がオプションか」の内訳を必ず確認してください。

値下げ交渉は通るのか — 税理士側の本音

結論から言うと、「同じ内容で安くして」はほぼ通りません。「依頼範囲を減らすので安くして」なら通ります。取材で見えたのは、多くの税理士が価格を「手間と責任に比例させる」原則で決めているという事実です。

同じような売上規模や業種業態なのに値段が全然違う、ということはやりたくないんです」
北山史朗税理士事務所 北山史朗 代表
「うちは顧問料を年商ベースで見直すんです。だから会社が成長すれば顧問料も上がる。『会社を大きくして、顧問料を上げてください』って、僕はお客様に堂々と言いますよ
えびはら税理士事務所 海老原大輔 代表
「通常、決算料は月額顧問料の数ヶ月分というのが相場だと思いますが……確かに業界の慣習からすると珍しいかもしれませんね。その分、顧問料をリーズナブルに設定しても利益が出る構造にしています」(月額固定・決算料0円のプランについて)
しんこう会計事務所 新美 代表
つまり値下げ交渉のコツは、値切ることではなく「自計化する」「訪問を減らす」「年末調整は自社でやる」といった作業の引き取りを提案することです。それでも折り合わなければ、料金体系の異なる事務所(月額固定・決算料0円型、オンライン特化型など)と比較する方が早いでしょう。

値下げ交渉より、最初から適正価格の税理士に出会う方が早い

予算と希望条件を伝えるだけで、全国25,000以上の事務所から条件に合う税理士を無料でご紹介。複数見積もりの比較にもそのまま使えます。

税理士費用の経費処理・勘定科目・源泉徴収

法人の場合

税理士への顧問料・決算申告料は、「支払手数料」または「支払報酬」の勘定科目で全額損金算入できます。記帳代行料や年末調整の費用も同様です。

個人事業主の場合

事業に関連する税理士費用は、「支払手数料」として必要経費に全額計上できます。確定申告を依頼した場合の報酬ももちろん経費です。

源泉徴収とインボイスの注意点

個人の税理士(税理士事務所)に報酬を支払う場合、支払う側の法人・源泉徴収義務者は所得税の源泉徴収が必要です(税率10.21%、1回の支払いが100万円を超える部分は20.42%)。一方、税理士法人への支払いは源泉徴収の対象外です。この違いは請求書の「源泉所得税」欄で確認できます。詳細は国税庁のタックスアンサー No.2798「弁護士や税理士等に支払う報酬・料金」をご確認ください。

また、消費税の仕入税額控除を受けるには、税理士側が適格請求書発行事業者(インボイス登録)であることが必要です。ほとんどの事務所は登録済みですが、契約前に登録番号を確認しておくと安心です。

注意点:個人的な税務相談は経費にならない

事業と無関係の税務相談——たとえば個人の相続税の相談や、事業所得以外の確定申告に関する費用は、事業の必要経費としては認められません。この点は混同しやすいので注意してください。

「今の顧問料は高い」と感じたときのチェックリスト

相場表と比べて「うちは高い」と感じたら、値段そのものより「何に対して払っているか」を棚卸ししてみてください。次の5項目のうち3つ以上が「いいえ」なら、契約内容の見直しか税理士の変更を検討するタイミングです。

顧問料の棚卸し 5つのチェック

月次の数字について、税理士側からコメントや提案が来ているか
質問への返答は2営業日以内に返ってくるか
決算の2〜3ヶ月前に着地予想と納税額の見込みを出してもらえているか
記帳・給与計算など、自社でやれば下がる作業を払い続けていないか
見積もり当時から売上規模や依頼範囲が変わっていないのに料金だけ据え置き、あるいは上がっていないか
変更を検討する場合の進め方(決算後のタイミング、解約の伝え方、引き継ぎ資料)は税理士を変更するベストタイミングはいつ?にまとめています。

今の顧問料が適正か、3分で診断できます

売上規模・依頼内容・重視するポイントを選ぶだけで、あなたに合う税理士のタイプと相場観をAIが整理します。

費用だけで選ぶと失敗する — 自社に合う税理士の見極めポイント

ここまで費用の相場を詳しく見てきましたが、最後に最も重要なことをお伝えします。税理士選びで「費用の安さ」だけを基準にすると、かえって高くつくケースがあるということです。

「社長、売上や通帳の中身という『一番大事なもの』を全部見せる相手なのに、なぜその相手(税理士)を値段だけで選ぶんですか?
税理士法人リソースフル 岩岡克徳氏
「最初は金額面で決めがちかと思いますが、多少の差であれば、フィーリングが合うかどうかで選ぶことで報酬の差以上の価値を得られると思います」
墨田feel会計事務所 柳本氏

税理士を見極める4つのチェックポイント

業種・課題への専門性を確認する — 「私と同じ業種のクライアントは何社くらいありますか?」と聞くのが最も簡単な方法
担当者が税理士資格保有者か確認する — 費用が安い事務所ほど無資格スタッフが実務を担当するケースが多い
コミュニケーションの相性を見る — レスポンスの速さ、説明のわかりやすさは長期的に費用以上に重要
無料相談で提案力を見極める — 具体的な提案(節税アイデア等)ができる税理士は契約後も高い価値を提供してくれる
より詳しい判断基準は税理士の選び方完全ガイド、節税提案の実力を見抜く質問は節税に強い税理士の見つけ方で解説しています。

まとめ:価格の安さだけでなく「事業のパートナー」として選ぶ

この記事のポイント

  • 法人の顧問料相場は月額1万〜10万円。売上高と面談頻度で決まり、決算申告料は顧問料の4〜6ヶ月分が慣行
  • 個人事業主の顧問料は月額1万〜3万円、確定申告のみなら年5万〜15万円。自計化で大幅に抑えられる
  • 掲載事務所の公開料金の実データは、一般的な相場表の下限〜中央付近に集まっている
  • 価格差の正体は「作業代行」か「経営パートナーシップ」かの違い。値下げ交渉は「作業の引き取り」とセットで
  • 費用を抑える鍵は、会計ソフトの活用とオンライン面談の組み合わせ
相場を知ることは大切ですが、最終的に重要なのは「自分の事業課題に合った税理士かどうか」です。

「安さ」で選ぶのか、「経営の相談相手」として選ぶのか——あなたの事業フェーズと価値観によって、最適な税理士は変わります。

自分に合った税理士がわからない方は、お気軽にご相談ください。業界経験豊富なコンシェルジュが、あなたの事業課題や希望条件をヒアリングし、最適な税理士をご紹介します。

よくある質問(FAQ)

Q. 税理士の顧問料は毎月払う必要がありますか?

A. 一般的に顧問契約は月額制ですが、確定申告だけのスポット契約も可能です。月額顧問料には日常的な税務相談・記帳チェック・節税アドバイスが含まれるため、年間を通じてサポートを受けたい方は月額契約がおすすめです。スポット契約は費用を抑えられますが、決算直前に慌てるリスクがあります。

Q. 税理士の顧問料5,000円のプランは何が含まれていますか?

A. 多くの場合、自計化(自分で記帳)・オンライン対応のみ・面談は年1回程度が前提で、決算申告料は別途10万円前後かかります。年間総額で比較すると月額1万円台のプランと大差ないこともあるため、「月額」でなく「年間総額と含まれる業務」で比べてください。

Q. 年商3,000万円の法人だと顧問料はいくらですか?

A. 月額顧問料2万〜3.5万円、決算申告料12万〜20万円が目安です。年1回面談で自計化なら年間約35万円、毎月面談+記帳代行なら年間約63万円が相場です。消費税申告が決算申告料に含まれているかを必ず確認してください。

Q. 税理士に丸投げするといくらくらいかかりますか?

A. 記帳代行・給与計算・年末調整・決算申告をすべて任せる場合、年商1,000万〜3,000万円・従業員5名程度の法人で年間60万〜90万円が目安です。自分が経理に使っている時間を営業や本業に回せるかどうかで費用対効果を判断するのがおすすめです。

Q. 見積もりより高い請求が来ることはありますか?

A. 契約前に「何が含まれて何が別料金か」を明確にしておけば、想定外の請求は防げます。特に注意すべきは、年末調整・償却資産申告・消費税申告・税務調査対応などの追加料金です。契約書に業務範囲と料金を明記してもらいましょう。

Q. 安い税理士と高い税理士の違いは何ですか?

A. 主な違いは「作業代行型」か「提案型」かです。安い税理士は記帳・申告の代行に特化し、高い税理士は節税提案・経営アドバイス・資金調達支援まで行います。自社の事業フェーズに合わせて、必要なサービスレベルを選ぶことが重要です。

Q. 税理士の費用は経費になりますか?

A. 事業に関する税理士費用は、法人なら損金、個人事業主なら必要経費として全額計上できます(勘定科目は支払手数料や支払報酬)。個人の相続税相談など事業と無関係な費用は経費になりません。個人の税理士に支払う場合は源泉徴収(10.21%)が必要な点にも注意してください。

Q. 決算だけを税理士に依頼することはできますか?

A. できます。決算申告のみのスポット依頼は法人で10万〜25万円程度が相場で、年間を通じた記帳が自社で正しくできていることが前提です。ただし、期中の節税対策や納税予測ができないため、利益が出始めた段階で顧問契約への切り替えを検討する事業者が多いです。

あなたにぴったりの税理士を無料でご紹介

税理士探しでお悩みなら、まずは気軽にご相談ください。無料であなたにぴったりの税理士をご紹介します。

あわせて読みたい

確定申告だけを依頼する費用は「確定申告の税理士費用はいくら?」、記帳代行の料金は「記帳代行の費用相場」、税理士選びで失敗しないためのポイントは「税理士の選び方完全ガイド」もご覧ください。

この記事の執筆者

ガイドリー株式会社 代表取締役/税理士紹介メディア「良い税理士」運営 宮田 匠

ガイドリー株式会社 代表取締役/税理士紹介メディア「良い税理士」運営

宮田 匠みやた たくみ

「良い経営者と良い税理士の出会いは、良い経営を作る」を掲げ、税理士紹介メディア「良い税理士」を運営。この1年で100名以上の税理士に直接インタビューし、経営者からの税理士探しの相談に日々対応するなかで、顧問料の見積もりや値決めの現場を紹介側から見続けている。本記事の相場表と実データは、取材と掲載事務所の公開料金の集計に基づく。税務上の個別判断は税理士にご相談ください。

このテーマに強い税理士を探す

あなたに合う税理士を見つけよう

全国47都道府県の税理士を、業種・依頼内容で検索できます

全国の税理士を探す

全国47都道府県・紹介手数料なしの中立メディア

無料相談受付中

税理士選びで、
もう迷う必要はありません。

業界経験豊富なアドバイザーがサポート
あなたの業種に強い税理士を厳選
何度でも相談・紹介無料

関連記事

※本記事は、税理士紹介の実務に携わる執筆者が、取材と公開情報の集計に基づいて作成しています。内容は執筆・更新時点の一般的な情報であり、税法の適用や個別の税務判断については、必ず税理士にご確認ください。